角川文庫
徳川慶喜家の子ども部屋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043561018
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0195

出版社内容情報

最後の将軍の孫に生まれ、高松宮妃を姉に持つ著者が、小石川大六天のお屋敷での夢のような少女時代を回想した一冊。40万部の大ベストセラーの文庫化。

内容説明

幼い文字で書かれた日記の向こうに見える夢のような生活―。最後の将軍慶喜公は、維新後晩年は公爵に叙せられ、東京小石川六天町の宏壮な屋敷で余生を過ごした。その慶喜公の孫に生まれ、第六天の屋敷でその幼少期を送った著者の貴重な少女時代の回想録である。高松宮妃となる姉上の盛大な婚儀、夏休みの葉山や軽井沢へのお転地、四季折々の行事や毎日の暮らしなど、戦前の華族階級の古き良き一面をうかがい知ることのできる好個の記録。ベストセラー待望の文庫化。

目次

第1章 第六天育ち
第2章 おじじ様
第3章 姉妃殿下
第4章 思い出アルバム
第5章 お転地
第6章 女子学習院
第7章 嫁いでから

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

72
徳川慶喜のお孫さんであった著者。少女時代の何不自由のない暮らしから、戦争に突入していく不穏な時代、戦中ご自身の生活を獲得していく経過など、華族の一代記、またひとりの女性の回想録として興味深く読んだ。籠の鳥という言葉が少女期に何度か書かれるが、世間知らずの姫君であったご自身を客観的に見つめた結果であろう。こういった歴史の証言は必要である。2019/01/07

おとん707

13
著者は徳川慶喜の孫で高松宮妃の妹。ただし生まれは慶喜没後。本の帯には「最後の将軍の孫に生まれた著者の夢のような幼年時代」と書かれている。確かに現代の我々からは想像もできない華族の幼年期の華やかな日常が語られるが、本書の凄さは日中戦争から太平洋戦争敗戦に至る悲惨な戦争を体験し一国民としての目を持つに至った著者が、夫榊原政春を通して知った東条内閣と軍部の愚行と粛清の舞台裏を隠さず語ったことではないか。皇族に繋がる家系を持つ身として語りは控えめで慎重だが、その静かな語りがかえって愚かな戦争への怒りを感じさせる。2021/07/30

mawaji

13
出手久美子さんの「徳川おてんば娘」を読んだあと、実姉の榊原喜佐子さんも本を著していると知り手に取りました。うちの田舎でも「赤館の叔母さん」「黒門町の伯父さん」などと地名で親戚筋を読んでいたし寝具の掛け布団に丹前を使っていたりしていたので、戦前の華族階級の習慣が下々まで降りてくるのに30年くらいかかったということでしょうか。「ポカン」という遊びも子どもの頃に兄妹やいとこたちとしていましたが呼びかけの返答には「アッポーン」と応えてました。ナツカシイ。明治150年は遠いようでけっこう身近に感じられる一冊でした。2018/07/31

りー

11
休み休み読了。徳川慶喜公のお家(徳川宗家とは別の家)に生まれた姫君がその半生をふりかえって書かれた本。現在の文京区春日、小石川第六天町にあったお屋敷での暮らしぶりが生き生きと、小学生時代からの日記をもとに描写されています。武家ならではの質実さ、広大な庭や邸内を走りまわり、木登りをするやんちゃな姫。幼くしてご両親が亡くすも何不自由無い生活。教育環境も申し分なく、文化芸術も一流の師がつく。上野の下町に生まれた私の祖母が話してくれた事と比べ、階級社会がほんの少し前は当たり前にあったのだ、と思いました。2019/11/30

さくらんぼ(桜さんと呼んでね)

7
再読。年末から少しずつ読んできた。以前は好意的な感想を書いたような気がするが、今回は、こういう人たちはいろいろな配慮を受けて豊かな生活をしたんだなというのを強く感じた。『おわりに』に書かれた、『人にかしずかれ労せずして暮らしていける身分にある者には当然の義務というものがあって、自由は望んではならない、常に人への配慮を忘れてはならない、自分を律することに厳しくなければならないと思っている』という気持ち、今の人たちはもう失くしているね。おわりまで読んでまたいろいろな思いにとらわれている。2022/02/03

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