角川文庫<br> 大衆の反逆 (12版)

角川文庫
大衆の反逆 (12版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 252p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784043155026
  • NDC分類 136
  • Cコード C0136

内容説明

“大衆”という、最も把えにくい命題を、理論的に体系づけた名著。彼は独自の「生の理論」をもって、大衆のエネルギーを賞賛しつつも、文明を、自ら熟知操作できなくなっている野蛮人として鋭く批判する。

目次

第1部 大衆の反逆(充満の事実;歴史的水準の向上;時代の高さ;生の増大;一つの統計的事実;大衆人の解剖の第1段階;高貴な生と凡俗な生―あるいは、努力と怠惰;大衆はなぜすべてのことに干渉するのか、しかも彼らはなぜ暴力的にのみ干渉するのか;原始性と技術;原始性と歴史;「慢心しきったお坊ちゃん」の時代;「分科主義」の野蛮性;最大の危険物=国家)
第2部 世界を支配しているのは誰か(真の問題は何か)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

25
重要なことは、人間の生がその潜在的能力 の次元においていかに増大したかを指摘する ことのみ(41頁)。 著者がいいたいのは、隣人が訴えてゆける規則 がないところに文化はないということ。 訴えるべき市民法の原則のないところに文化 はないということ(76頁)。 いわんとしていることは、技術への関心は、 技術進歩や存続をなんら保証するものでは ないということ(89頁)。 生の官僚化。生の絶対的な衰退をもたらした(131頁)。  2014/04/27

Yasomi Mori

3
《今日の特徴は、凡俗な人間が、おのれが凡俗であることを知りながら、凡俗であることの権利(知性を軽蔑し、知性の前に頭を下げなくてすます権利)を敢然と主張し、いたるところでそれを貫徹しようとするところにある》――このような態度がオルテガの批判する「大衆人」の性質だが、といって著者は、いわゆる一般人だけを攻撃しているわけではない。本書で「大衆人の典型」に挙げられる一例は、専門分化の時代を生きる科学者であり、時代の構造上だれもが抱えてしまういわば〈大衆性〉、非道徳という新しい「モラル」の形成を警戒しているのだ。2015/01/06

Peshka(a.k.a. Komet)

1
オルテガは「大衆」を「無気力で権利ばかりを要求する『野蛮人』『下等な生』」として厳しく批判し「常に自らに義務を課し、自己を超克しようとする『苦行者』『高貴な生』」である「貴族」と対比する。 大衆とは特定の社会的階級ではなく内面的な精神の在りようであるとし、近代において台頭した専門分野のみを追求する科学者を批判する。 後半では、世界の道徳的頽廃、ヨーロッパによる支配の終焉と、ヨーロッパに統合国家を建設する必要を説いている。 「大衆」と如何に向き合うか?これは現代の我々に突きつけられた命題かも知れない。2012/01/23

tkm66

0
・・角川でこの金表紙シリーズが出版されて最初に買った筈。オルテガ、当時は結構入手が難しかった、との覚えが。

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