角川文庫
愛しき者はすべて去りゆく

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  • サイズ 文庫判/ページ数 567p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042791041
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

もはやボストンのこの界隈に、幼く無垢で無防備なものたちの居場所は無い。ここは崩壊した家族、悪徳警官、詐欺師、そして、夜毎テレビで誘拐された自分の娘について報じるニュースを観るアル中の母親が住む場所だ。少女が消えて80時間が経過し、捜査依頼を拒み続けていた私立探偵パトリックとアンジーは遂に動き出す。しかしこの少女の捜索は、2人の愛、精神、そして生命までもを失う危険を孕んでいた―。現代最高のディテクティブ・ノヴェル、シリーズ最新刊。

著者等紹介

レヘイン,デニス[レヘイン,デニス][Dennis,Lehane]
ボストンのドーチェスター生まれ。フロリダ州のエッカード・カレッジで創作を学ぶ。「遊びのつもりで」書いた『スコッチに涙を託して』(角川文庫)が指導教官の目に留まり作家としてデビュー。みごとシェイマス賞最優秀処女長編賞を受賞した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

55
思えばこのシリーズ、映画化された本作が良くて読み始めたんだったな。今回は消えた四歳の少女の行方を追う序譚、失踪した子供たちの運命を思うと本当に憂鬱だ。むしろ死んでいてくれと願いたくなるほど苛烈な現実は、最早アメリカだけの出来事ではない。希望を持つ事の残酷さを知るパトリックは最初引き受けない。少女がいた現実もまた、ネグレクトだったから。児童虐待捜査班の二人の刑事と知り合い、力を合わせ、共に泣き、消えた子供たちの陰りを追う。いい奴らだったな、彼らの目指したものを知って尚、己の正義を貫いた時、凡てを失うのか。2019/11/07

スー

29
96子供の誘拐事件なので覚悟していましたが、これほど救いがなく暗く重たいとは思わなかった。育児放棄や子供を性の対象にする者達からどうすれば子供を守れるのか?子供の無惨な死体を見てきた刑事プールとブルサードと虐待経験者のパトリックは子供達が置かれている悲惨な状況に悲憤し打ちのめされながらも各々答えを出すがこんな結末になるなんて・・悲しすぎる。なんとかならんかったのかなぁ~とても好きなキャラになってたのに残念でした。2020/07/17

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

26
少女の誘拐と、運び屋から奪った大金と、子供を誘拐なぶり殺しにする殺人犯達と、どこでどうまとまるのかこの話、と思ったけど、最後の最後で悲しい驚きの結末。登場人物が多すぎて途中は流れのままに読んだ。超法規的に働くのが私立探偵の役割で、ブロックのマット・スカダーシリーズなどが好きなのだが、少しいい子すぎる私立探偵パトリック。いかん。2021/05/17

Ayah Book

25
パトリック&アンジーシリーズ第四作。前作ちょっといまいちかなと思ったけど、これは最高でした。これだからルヘインさんは大好きだ。傑作と思います。こんなにやるせない重苦しい話ってあるだろうか。何が正しいって簡単に言えない物語。建前としてはパトリック、でも作者さんの考えはレイチェルに近いんじゃないかな。ストーリーも重層的で、途中の極悪小児虐待者との対決は西部劇っぽい面白さ。結局暴力で解決するのに、法ってなんなんだろうね。。。ブルサードの素晴らしい少年のような笑顔。今作はブッバちゃんも出ますよ!2022/05/18

emitaku

20
初パトリック&アンジー。ゆえあって4作目から。誘拐事件からはじまり、あれもこれも折り重なる多重構造は読み応えたっぷり。暗い重いせつないの三大特典つき。正義とは何か、法はいったい誰のためのものなのか、普段はスルーしたくなることをいやでも考えさせられる。一見ドライでクールだけど、発している熱量は相当なもの。シリーズ、最初から読みたいです。ちょっと身体にこたえるから、少しずつ間をおいて。2018/01/13

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