内容説明
まりも。彼女の長めにひかれた黒いアイライン。真っ赤なルージュ。けれど、化粧という仮面をつけても、いくら嘘を口ずさんでも、丸く、大きな瞳だけは、素直さと、正直さを隠すことはできない。酔っぱらって公園で一夜を過ごしたまりもをつけている者がいた。それは、なんと、うさぎの耳を持つ少年だった。その日から、まりもの生活はメリーゴーランドのように美しく、夢の彩りの世界に変わっていく。真実の愛と希望を求めるまりもとうさぎと不思議な旅。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ち〜
5
本年一冊目。表紙の可愛らしさで購入した一冊ですが、筆者がミステリーハンターさんだったとは気付きませんでした。ほんとに多才な人は世界に多いなぁ。作品はほんわかとしたファンタジーな仕上がり。寂しさを心に抱えたマリモと不思議な男の子うさぎの物語。2017/01/02
イラヒ
3
この職業、そしてこの人に一度は憧れた事はありませんか?「世界ふしぎ発見」ミステリーハンター竹内海南江さん。小柄で華奢なのに、パワフルな女性。大きな目と愛らしい表情が魅力的です。この本との出会いは図書館出口に設置されていたリサイクル図書コーナーでした。沢山並んだ本の中からこの本の作者にズームイン!速攻でお持ち帰りでした。世界各国を訪れた事のある彼女が表現する世界観は私をワクワクさせました。最後まで楽しんで読め、また更に竹内さんを好きになりました!2016/03/24
た〜
3
(発掘再読)不思議で優しい、癒し系2015/11/14
hana.
3
こんなはずではなかった、あの時こうしていれば…、大人になるにつれてそんなことを口にすることは許されなくなってくる。自分を騙し、周りに合わせ、それなのに周りとも壁で隔たれて。そうして身動きがとれなくなったときに、夢見るのはまさにこんな場所かもしれない。一年に一度の奇跡を待ちながら、元気を取り戻すまで優しさに包まれて暮らす。心が満月になったとき、自分はどのような姿になるだろうか。しかし思う、自分はあのベジタリアンなライオンのように、優しさのなかで死にゆきたい。それは甘えだろうか。2011/08/08