角川文庫<br> 幕末純情伝―龍馬を斬った女

角川文庫
幕末純情伝―龍馬を斬った女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784041422342
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

黒船が伊豆下田の沖に姿を見せた明くる年、所も同じ、菜の花咲きみだれる下田で、土方歳三は、妖しいほどに美しい娘・琴と、運命的な出合いを果たしていた。それから4年、もはや一殺一両の殺人集団になり下がった新撰組に、歳三とともに、美剣士・沖田総司として、琴がいた。総司は、女である身をおしかくし、歳三への愛の証として、ひたすら人を斬りつづけ、ついにはその刃を坂本龍馬に向けていく。―ひとたび女が恋にくるえば、国の歴史くらいはひっくりかえる。時代と愛の苦悶を、歳三と龍馬のあいだで揺れうごく「女総司」の情念を通して解き明かす、めくるめく幕末絵巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

386
主人公の沖田総司をはじめ、土方歳三や坂本龍馬など登場人物たちはすべて幕末に実在し、活躍した人たちである。ただし、沖田が実は女であったという設定はもちろんのこと、それぞれの人物たちの動きや心情は史実を反映しているどころか、つかこうへいによって、いとも自由奔放に書き換えられている。面白ければいいのだ、とするのがつか流なのだろうか。本編には戯曲版もあるそうなのだが、おそらくは舞台で見る方がより楽しめるものと思われる。やはり、つかの本領は舞台を所狭しと駆け巡る、そんなお芝居でこそ真価が発揮できそうである。2022/09/05

Die-Go

56
図書館本。再読。新選組の天才剣士沖田総司を主人公に、つかこうへいが大胆に幕末史を塗り替える。本作での沖田総司は男装の女性で、初めての男土方歳三を思うがあまり、その剣を振るい続ける。そしてその矛先は回天の英雄坂本龍馬はと向けられ...。歴史の改編の甚だしさを受け入れられるかが、本作を楽しめるかどうかにかかっているだろう。★★★☆☆2020/06/17

背番号10@せばてん。

31
1993年11月4日読了。91年公開の映画の主なキャストは、渡辺謙(当時32歳)、牧瀬里穂(当時20歳)、杉本哲太(当時26歳)。あらすじはもちろん、忘却の彼方。(2022年2月9日入力)1993/11/04

やまねっと

10
この小説はあまりにも荒唐無稽でついていけなかった。 出てくる人が破天荒なので感情移入できなかった。 しかし、沖田総司が女だったという設定でこの小説は勝ちなのだなと納得せしめた。 総司が男として演じていたが、最後まで女を捨てなかったのは唯一共感できた。無駄な説明が少なく、会話のテンポで読ませたので読んでてのめり込んだ。 所帯じみた近藤勇もペーソスとしておもしろかった。2021/04/21

sansirou

9
「龍馬伝」の後に読むと、これはまた面白い。「龍馬伝」では、天皇家の娘が河原に捨てられ、勝海舟の妹になったのが沖田総士だが、ここでは、服部半蔵の娘が捨てられ、小栗忠順の妹となっている。でも、土方に操を奪われるのは同じだが、土方の素性が違う。比較すると、同じところと違うところがあってこれはこれで面白い。やっぱりつかこうへいはすごいなぁ。2023/08/17

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