内容説明
Q大理学部の中年教授が大学からの帰途に失踪、赤坂のマンション一室で首吊り死体となって発見された。自殺か、他殺か?当人が一度も口にしたことのない場所で死んでいた、カバンの中にしまう習慣の手帖が洋服のポケットにあった、などの不審点から他殺説が浮上、教授と若い女の話し声を耳にしたという隣室夫婦の証言で、捜査の的は、謎の女の追求に絞られたが…。素材、テーマに多彩な変化を見せる、推理短編6作品を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nozomi Masuko
10
週刊誌に掲載された6作品を収録した松本清張の短編推理小説。どの作品もかなり短くまとまっているものの、中途半端な印象はなく、すっきり読み終えることが出来た。松本清張作品は長編に限ると思っていたがたまにはこういう作品も新鮮。2015/11/25
sayusayusayu
8
2016年7冊目。2日間の通勤時間で読めた。THE昭和。しかし昨今のDNA操作や防犯カメラによる事件解決でないのがいいです。2016/03/16
ジャンズ
6
短編集。家の本棚の奥にあった本。半世紀経っているものもあるけど、時代を越えて楽しめた。教授、医者、代議士など社会的地位やお金のある人たちが暴かれる結末。そしてお金と女が絡む。どれも最後まで読者を離さず一気に連れて行ってくれた。「失踪の果」の中華料理の後、胃薬と言って睡眠薬を飲ますシーン、保険に加入させるシーンは無理があると思った。そう人間は簡単に相手の思う通りには動かない。2017/04/16
幕 慕蘭
5
清張の短編は相当読んだつもりだが、これはまだ未読であった。安定の面白さ、さらに本当に短く、ドラマにしても30分くらいか?という感じで読みやすかった。しかし、清澄は面長の女が好きだな。俺も好きだけど。2021/10/23
おさと
4
書かれた時代は古くとも、何時の世も色恋やら何やらは変わらないのねぇ…と。ルンペン、ってすごく懐かしいわ…。今は使っちゃいけない言葉だっけか?2014/09/09