朝日文芸文庫<br> 美人論

朝日文芸文庫
美人論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022640956
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0195

内容説明

明治期の「美人罪悪論」から、昨今では「すべての女性は美しい」と転回する、美人・不美人をめぐるレトリック。この背景にある倫理の変容を徹底調査。あえて容姿についてことあげする。「ブス」はタブーなのか。面喰いをおろかと蔑む正義の正体とは。賛否の大論争を巻き起こした、問題の書。

目次

1 受難の美人
2 美貌と悪徳
3 自由恋愛の誕生
4 容貌における民主主義
5 資本と美貌
6 管理される審美眼
7 拡散する美貌観
8 努力する美人たち
9 禁忌と沈黙
10 美「人」論の近未来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゃれら

22
NHKBSの歴史バラエティで著者を見て、人の裏ばかりかく人だなあと思いながらググって「え?美人論の人?」。本書は発行当時結構な評判となり文庫化された1996年に入手した(第1刷)が、そのまま積んでいた。美人についての建前が江戸時代から明治大正昭和とどのように変遷してきたかを、たいへん範囲が広く数も多い引用を用いながら語った本。鈴木健二、林真理子から、永井荷風、泉鏡花まで。向坂逸郎が出てきたのはちょっと驚いた。美人をめぐる言説に古さは否めないが、美人の悲劇がよく語られる文学の読者としては読んで損はないかも。2023/04/12

Arowana

10
読んでみると、時代ごとの美人・不美人観がいかにも日本的で腑に落ちる思いがしました。なるほど、面白い本です。加えて上野千鶴子さんの巻末エッセイも同様に面白いです。2014/04/04

柳瀬敬二

7
基本的に格差は是正すべきものとして学校で習う。しかし、顔の美醜の格差についてはなぜか教わらない。私の場合はせいぜい美容整形の是非を問うくらいであり、つまるところ公の場で容姿について論じることは現代ではほぼない。この本では美人というものが社会的にどう扱われてきたか江戸時代から現代までの変遷を考察している。19世紀ヨーロッパでは高級娼婦という容姿に優れた女性がサロンや政治の場で台頭したが、明治期の超面食い現象もヨーロッパのそれに近い。比較的ライトな本であり、フランクな巻末のあとがきやエッセイも笑わせてくれる。2014/08/22

ローマ奏者

6
一見して軽い本だけど、実際相当シリアスな態度で「美人」の概念史を述べる。奇書の範疇に入れれると思う2022/10/16

χ

5
江戸時代を少し含む明治からの容貌の差による考え方の推移。当時の資料からの読み解きが面白い。価値観や概念の移り変わりを調べるのは面白そう。今はかわいいという便利な言葉が使われて欺瞞的だが広く救いがある2020/04/26

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