朝日文庫<br> 植村直己の冒険

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朝日文庫
植村直己の冒険

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784022606662
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0126

目次

はじめに 植村直己を「南極のスコット」にするな
前編 生前の植村直己をめぐって(北極点への出発を前にして;現代の“マスコミ冒険”への疑問;植村直己式冒険の「これまで」と「これから」;植村直己論;植村直己・抄;マッキンリーで冒険を語る)
後編 遭難のあとに考える(植村直己氏遭難取材記;山岳部先輩としてのせつなき想い;植村さんにおける学術志向;植村直己さんの装備について思うこと;植村直己の遺したこと;直己の冒険の現場に接しつづけて;「映画のロケ」化していった冒険の悲劇;堀江謙一的功績と反面教師的功績と)
おわりに 5人の冒険者を考える
付章 ある女優の北極行とその周辺
付録 植村直己氏年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

4
植村直己自身の冒険のスケールが五大陸最高峰から極地へと大きくなると自身では資金を集められなくなり、電通や文藝春秋といったスポンサーの手を借りることとなりました。そこに他者への配慮や成功へのプレッシャーが生じ、現地での進退の判断を曇らせたのではないか、と鋭い指摘がされています。 現代にあって冒険とは何かを考える取っ掛かりとして目を通しておきたい一冊かと思います。2017/09/23

梅子

2
植村直己を批判し、彼を過大評価する世間を批判するといった目的で書かれた本ではなく、植村直己を冒険史の尺度で評価する為に書かれた本。世界のほとんどの雄峰が頂点を極められ、氷の時代・壁の時代を経てディレッティシマや登攀時間を競う時代にある今日、冒険・登山の社会的意義は「人類初到達」などではなく「個人の限界への挑戦」に収斂される。その分、例えば飛行機での空輸などに頼らず、「剥き出しの冒険」に挑戦しなければ意味がない。しかしそれをバックアップする経済資本が「剥き出しの冒険」を阻害する。大変面白い議論だった。2018/01/07

flat

2
植村直己という冒険家についての各評論と対談。冒険に必要な資金を集める為に商業主義へと陥る事への批判は頷けるものがあった。そして伝わって来る植村直己の人柄にはとても興味が湧いた。もっと自由な環境で縛りのない状態で冒険に専念する事が出来ていれば歴史を変えていたのではないかという気がして残念な心持ちとなった。2015/11/08

D

1
角幡唯介の著書にもよく登場する植村直己がどんなことをやりどう評価されたのかを知りたくて手に取った。植村直己について様々な業界人の植村に対する考えや思いを綴った内容であった。この本の中で繰り返される植村直己のアキレス腱となってしまった犬橇北極点到達行の商業的な産業化された冒険への批判は頷ける部分もある一方で、どこが問題なのかを考えさせられる部分もあった。そもそも冒険とは多分に精神的な営みであり、その手段についての批判や冒険史的な評価などは終わってから外野の人間が評しているに過ぎないと思う。植村にとって問題だ2024/03/18

ressenti-man

1
確か新谷暁生がこの本での本多勝一の植村論をDisっていたが、確かにあまりいいやり方ではないかな。結論ありきでインタビュイーを誘導するのは気分悪い。だったら自分のエッセイで書けばいいのに。それはともかく、登山界としては、こういう冒険論の文脈で栗城史多の立ち位置をまともに定位する必要があるように思うのだが、そもそも冒険とか関係無くだらだらと山ガールブームを煽ったりしているだけで、そんなことには興味無いのだろうか。2012/01/04

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