内容説明
「世界の尽きるまで人々を救い続けよう」と誓った弘法大師空海。5度の渡航失敗と失明の苦難に耐えた鑑真。「ひたすら坐れ」と説いた道元。権力の弾圧と闘った日蓮。風狂に生きた一休。仏典を求めて鎖国下のチベットに潜入した河口慧海…。時代を代表し、時代と格闘した名僧・高僧たち44人の人生と教えのことばで知る日本仏教の全体像。名僧たちは何を伝えたかったのだろうか。人はみな、仏になれるのか。禅のこころとは何か。彼らの波乱に満ちた生涯と教えのことばは、複雑な現代社会で悩むわれわれにも、生きる勇気と智慧を与えてくれる。
目次
第1章 仏教伝来とその広がり―飛鳥・奈良時代
第2章 密教の隆盛―平安時代
第3章 民衆に広がる仏教―鎌倉時代
第4章 権力に抗する仏教―室町・安土桃山時代
第5章 幕藩体制の中の仏教―江戸時代
第6章 新しい仏教をめざして―明治以降
著者等紹介
山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年生まれ、岩手県出身。東北大学大学院博士課程中退。東北大学助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター所長などを歴任。宗教学者。著書に『愛欲の精神史』(小学館、和辻哲郎文化賞)など
末木文美士[スエキフミヒコ]
1949年、山梨県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東方学院講師、東京大学文学部助教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
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週刊朝日百科『仏教を歩く』(全30巻)のエッセンスを朝日選書として刊行。シリーズの編集顧問が、『日本仏教史』(新潮文庫)の末木文美士先生と宗教学者の山折哲雄先生とあっては、信頼度満点。誰を選出し、誰を選出しないかが、編集人の腕の見せ所だが、ま、過不足のないラインアップですね。特に「女性仏教者たち(無外如大ほか)」の選出は◎。ただ番外で、“妙好人”を取り上げていただくと、さらに良かった。禅の泰斗・鈴木大拙博士も、妙好人が得た宗教的体験を詳しく研究して、禅宗の名僧と比べるほどに高く評価していることですし。 2019/10/14
釋@人生勉強
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聖徳太子から始まり、明治時代に至るまでの名僧と呼ばれる方々の生涯や布教についてまとめてあり、日本における仏教史の入門書として読みやすく大変分かりやすかったです。2016/01/06