内容説明
「秒進分歩」ともいわれるがん医学の急速な進歩により、がん治療をめぐる「常識」はいま、劇的なペースで書き換えられ続けている。分子レベルでの研究の進展、グローバル化の進行、EBM(科学的根拠に基づく治療)やセカンド・オピニオンの普及により、患者や家族には、以前は考えられなかったような情報や選択肢が与えられている。しかし選択肢の多さは、「このがんとどう闘ったらいいのか」という患者の判断を、非常に難しいものにしていることも確かだ。あふれる情報と選択肢の中で、どのような治療法を、どのように「納得」して「選択」するか―自らも近親者のがん死をみとった医療ジャーナリストが、最新治療情報をもとに考察する、新時代の「がん患者学」。
目次
第1章 納得して治療を受けるということ(がん医療の進歩と患者をとりまく現実;がんという病気の特殊性―増えた選択肢)
第2章 がんと向き合うための基礎知識(病名を知る・伝えることについて;インフォームド・コンセントとセカンド・オピニオン ほか)
第3章 がん治療最前線(化学療法の進歩;外科手術や放射線療法などの進歩;より長い命と苦痛の緩和;よりよい治療に向けて)
付録 がん素朴な疑問集(がんとは、そもそもどんな病気なんでしょうか。他の病気とどこが違うんですか。;「正常」な細胞とがん細胞の違いは?また、それをどう見分けるんですか。 ほか)
著者等紹介
祢津加奈子[ネツカナコ]
医療ジャーナリスト。東京都出身。慶応義塾大学卒。考古学の発掘やイギリス遊学を経て、医療分野の執筆を始める。がん治療や遺伝子研究などの最先端医学を中心に執筆
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