内容説明
依存は、それほど悪い行為なのだろうか。努力を重ねてもこまった事態が解決できなければ、他人や組織の手助けを求める。こうした依存は、恥ずかしい行為でも、禁止されるべき行為でもない。精神医学の立場から語れば、依存は人間が生まれつき持っている、こころの安心や肉体の満足を求める行為である。私たちは、組織や他人との関係に依存しなくては、生き延びることは不可能である。自立とは、周囲の人びとに支えられながらも、自分の行動を支配されず、主体的に決められることなのである。
目次
第1章 対人関係依存
第2章 プロセス依存
第3章 物質依存
第4章 いろいろな物質依存
第5章 依存症からの回復
著者等紹介
渡辺登[ワタナベノボル]
1950年静岡県生まれ。1976年日本大学医学部卒業、1980年同大学院(精神医学)修了。医学博士。1984年国立衛生研究所研究員、厚生省保健医療局精神保健課併任。1986年国立精神・神経センター精神保健研究所研究室長。1989年日本大学医学部精神神経科講師を経て2001年より同助教授。日大練馬光が丘病院精神神経科科長を兼務する。1991年沖永賞受賞
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