朝日選書<br> アウシュヴィッツの地獄に生きて

朝日選書
アウシュヴィッツの地獄に生きて

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  • サイズ B6判/ページ数 209p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022595799
  • NDC分類 936
  • Cコード C0322

目次

第1章 強制収容所へ
第2章 母と妹の死
第3章 神が見捨てた小児病棟
第4章 二十万人の大撤退
第5章 逃亡の旅
第6章 ひとりぼっちの故郷
第7章 新天地アメリカへ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

28
アウシュビッツを生き抜いた女性による手記。死と暴力が、ありとあらゆる邪悪が吹き荒れた時代がほんの少し前の世界には確かに存在していた。大抵の人間は日常では上っ面を取り繕って優しく思いやりのある自分を演じているけれど、きっかけがあれば他者の人格や意思など全く考慮せずにどんな残酷なことでもやってしまう。ぼくもあなたも例外ではなくきっとやってしまう。だからこそ常日頃から自分たちの中にあるそうした部分を見つめ自覚し、いざという時に理性で抑え込めるように思考しつつ心がけていかなければならない。常に、常に理性的であれ。2017/12/11

印度 洋一郎

4
ドイツ出身のユダヤ人女性による、アウシュヴィッツ強制収容所体験記。著者は看護師で、収容所内の診療所(といっても、薬も包帯も碌に無い)に配属された事が、生き残る事に繋がった理由の一つらしい。訥々とした文章で、日々の暴力、虐殺、飢餓、共に収容された母と妹の死が綴られている。終戦直前に収容所からの移動の途中で逃走するが、間もなくやってきた解放者たるソ連軍は女性を見れば、手当たり次第に暴行。著者は運よく助かったが、収容所からの避難民のキャンプでも、「八歳から十三歳ぐらいの女の子が特に狙われた」というから壮絶。2022/10/12

つちのこ

4
あまり知られていないが、ドイツに攻め入ったソ連軍だけで50~100万人のドイツ人女性が強姦されたという。本書には少しだけ触れられているが、ユダヤ人のみならず幾多の女性に不幸を運んだナチス政権の業の深さに腹が立つ。苦難をかいくぐり収容所から脱出し、戦後を生き延びた主人公の奇跡に拍手したい。2020/04/02

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

1
今まで読んだこの手の本は全て男性生存者の手によるものだった。女性によるものは珍しいのではないだろうか。どうも男性に比べて女性は利用価値がないとして殺害される率が高かったようだ。そのため、男性の書いたものに比べて強制収容所の凄絶さがあからさまに伝わってくると感じた。男性による体験談を何冊か読んだ人も、読んでおくとよい本だと思う。2012/03/15

tnk.UZ

1
ホロコースト記録。V.フランクル「夜と霧」に描かれた心理描写が見事に描かれています。恐らく全ての被収容者は同じ精神のプロセスを辿ったのでしょうか。冷静な回想に心を打たれました。2011/10/10

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