出版社内容情報
政治におけるリーダーシップとは何か-近代史に重要な役割を担った,伊藤博文,大隈重信,原敬,西園寺公望,犬養毅がそれぞれに直面した政治状況における行動と役割を跡づける.日本政治の本質を考えるために必読.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
北本 亜嵐
22
お気に入りさんのコメントから気になって読み始めた本。伊藤公に大隈公、原公、犬養公、最後の元老である西園寺公。彼らの業績に加えて性格を加えることによって各公の評論に厚みを増している。難しかったけれど、近代の政治史を知ることが出来る一冊。2016/03/24
ほうすう
5
伊藤博文・大隈重信・原敬・犬養毅・西園寺公望といった政治家たちの評伝。史実の流れを把握できるというよりも彼ら個人の個性に重きを置いた逸話集的著作。そのぶん一通りの史実が頭にないと読みにくいかもしれない。ただ彼らの人となりを知ることができる楽しさが感じられる。人物のチョイスがやや政友会よりだったから憲政会ないし民政党から若槻・濱口辺りも入れてほしかった気もします。2018/07/09
ななっち
3
初代首相・伊藤博文、「民衆政治家」大隈重信、「平民宰相」原敬、挫折の政治家・犬養毅、最後の元老・西園寺公望を取り上げたもの。著者曰く、「戦前には人々の耳に親しいものであった。・・しかし、いつか遠い過去のことになった。」ということで、それぞれの事績、人物像を様々な証言を交えながら、描き出しています。 それぞれの知らなかった性格や、また、平民宰相といわれる原敬も、自分が抱いていた人物像とは違い、藩閥政治との妥協を重視していた側面など、表面的な評価との乖離があって、政治の現実について考えさせられます。 民衆2011/11/06
spanasu
2
伊藤博文、大隈重信、原敬、犬養毅、西園寺公望の五名を、それぞれのパーソナリティーを加味して描く。もちろん現在においては必ずしも定説ではない解釈も見られる(と思う)が、パーソナリティーに注目して描く数少ないもの。生き急ぐかのような原敬(しかし後に変化し余裕を持つことで首相へとのぼりつめる)、自由主義的な考えを持ち自らを制限するものには激しく抵抗したとはいえ貴族的特質をもち権力に恬淡な西園寺、その二人の対比が興味深い。「原敬日記」に縛られた像なのかもしれないが、やはりこの二人が大正の重要人物であろう。2019/11/05
z1000r
2
伊藤博文 大隈重信 原敬 犬養毅 西園寺公望 の人となりのオムニバス。大隈以外 政友会の人間と思うが、それぞれの山縣有朋(長州藩閥)に対する対応。性格、非常におもしろかったです。原 犬養に関してはあまり知識がなかったのでページが進まなかったが、この5人中では西園寺に共感できる部分が多かった。長生きのため最後の元老になってしまうが、それによる責任感というか重圧。先見の明 洞察力もありながら、晩年は時世が自分の考えと反対方向にいき、ストレスも多かったことと思い気の毒ではある。良書だと思う。2018/08/27