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岩波現代文庫
写真論集成

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  • サイズ 文庫判/ページ数 488p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006020729
  • NDC分類 740.4
  • Cコード C0170

出版社内容情報

著者の30年にわたる写真論を集成.内容は写真の形而上学的考察,写真家論,科学写真論,写真メディア論,ファッション写真論に及ぶ.哲学,芸術史などの豊かな知見を背景に,写真とは何か,写真に何が可能かを問う.

内容説明

伝説の写真雑誌『プロヴォーク』の理論的支柱であった著者の三〇年にわたる写真論を集成。内容は、写真の形而上学的考察、写真史を画した写真家論、人間の知覚を変容させた科学写真論、写真メディアの誕生と崩壊、ファッション写真論に及ぶ。写真に何が可能かを問いながら、世界を認識する手がかりを求めた写真論の極致。

目次

第1部 写真を考える(写真になにが可能か;眼と眼ならざるもの ほか)
第2部 さまざまなる表象(都市の歩行者―アジェ;侵犯の遊戯―マン・レイ ほか)
第3部 メディアの興亡(メディアの発端―十九世紀の写真の伝播;あるメディアの墓碑銘―『ライフ』の終焉)
第4部 モードの社会(ヴァニティ・フェアからのメッセージ;肖像写真がファッション写真の下地になる ほか)

著者等紹介

多木浩二[タキコウジ]
1928年神戸市生まれ。東京大学文学部美学美術史学科卒業。東京造形大学教授、千葉大学教授をへて、評論家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

2
第1部 写真を考える <写真に何が可能か> 真の実在とは何か 他人の見方をパターンとして それに当てはめてみることが多い ボードレール タブロウ  アラン・レネ「ヒロシマ・モナムール」 T.S.エリオット <眼と眼ならざるもの> 1. ロバート・フランク「アメリカ人たち」 リチャード・アヴェンドン 2. 山端康介「長崎」の原爆記録 表現のアノニマス性  E.フィッシャー メルロ=ポンティ 再帰性 「主体」と「対象」をはっきり弁別できない 4. サルトル「イマージュ論」 2007/05/16

ZANGiBØY

1
ひとまず関心のある論考のみ(全体の7割ほど)。ベンヤミンなどの議論を前提としていながらも、メルロ=ポンティなどの現象学的視座を導入することにより理論のアップロードが図られている。写真技術が普及してから、この世界は「撮られる(被写体になる)」前提で構築されている。この相互影響関係を指摘するアイディアには、彼の建築評論家としての経験も活かされているのではないか? ともあれ、教科書的知識を学ぶと同時に、彼ならではの批評性も盛り込まれている、いい本だ。2024/01/25

hobby no book

1
もう少し軽い入門書から入った方がいいかも、と思いつつも森山大道との関連で読みはじめる。本書にはそれほど図版は掲載されていないので写真を参照してみたい作品や海外の写真家の名前がけっこう挙がっていた。2017/11/05

Metonymo

1
「眼で見るということは必ずしも網膜によって像を構成することではない。もっと底深く我々と我々を包み込むものの中に隠れた意味の発見なのである。」 「私が旧制の高等学校に入り、ついで大学に進んで学んだ優れた思想は、西欧の文化から生まれたものばかりであった。それは到底、日本の思想や文化の太刀打ちできるものではなかった。日本は物質に敗北したのではなく、ギリシアとユダヤ・キリスト教に発する精神に敗北したのであった。敗戦とはそれを認識する苛酷な精神の現場だった。」2013/05/01

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