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岩波新書
特高警察

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  • サイズ 新書判/ページ数 242p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004313687
  • NDC分類 317.74
  • Cコード C0221

内容説明

日常行動の監視、強引な取締り、残虐な拷問…。悪名高き特高警察は、いかなる組織だったのか。その「生態」を膨大な資料・証言から解き明かすとともに、植民地朝鮮や「満州」での様相、ドイツの秘密警察ゲシュタポとの比較、戦後の「解体」と「継承」など、全体像に多角的に迫る。

目次

1 特高警察の創設
2 いかなる組織か
3 その生態に迫る
4 総力戦体制の遂行のために
5 植民地・「満洲国」における特高警察
6 特高警察は日本に特殊か
7 特高警察の「解体」から「継承」へ

著者等紹介

荻野富士夫[オギノフジオ]
1953年埼玉県生まれ。1975年早稲田大学文学部卒業。現在、小樽商科大学教授。専攻、日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tomoichi

21
特高警察の誕生から解体までをその組織と実態を解説。日本だけでなく朝鮮・台湾・満州などの特高組織、ゲシュタポとの比較など内容は充実。この手の本が少ないだけに貴重な一冊と言いたいところだが、岩波臭がプンプンするのが残念。著者の無用な思い入れのない無味無臭の特高警察本が読みたい。法律の改正を「改悪」と書いたりとか不要です。それを「改悪」かどうか判断するのは読者であって著者ではない。それが著者ならその本は単なるプロパガンダ本に成り下がる。そういう意味で少し残念な本です。2018/01/31

ののまる

11
戦後ほんまに解体したのか? するつもりだったのか? 他省庁に再就職って。あるいは警視総監になってたりとか。国体違反取り締まりから突然民主主義反取り締まりに鞍替えして、当事者たちは全く反省の色なしって意識…が、現代に引き継がれている怖さ。2022/08/12

ロッキーのパパ

11
組織だけではなく、個人に焦点を当てているのが面白い。現代の価値観から見るとひどいと思われるようなことも、治安維持のためという信念に基づいてやっていたのかと思うと改めで怖い気がする。2012/08/01

モリータ

10
◆2012年刊、著者は小樽商科大教授、先行は日本近現代史。特高警察・治安維持法関連のほか、虐殺された小林多喜二に関する業績もある。◆本書は「特高警察とは何だったのか、その実態と全体像の解明」を課題とし、「特高警察をその職務に駆りたてたものを見極め、特高警察がどれほどの領域まで・どれほどの深度まで・どれほどの巧妙さと重層性をもって社会運動にくい込み、国民生活・思想を監視と抑圧の対象としていたのか」を明らかにするとともに、「どのように復活して現在に連続しているのかについても焦点をあてる」(以上、p.6より)。2021/06/10

coolflat

10
公安警察の起源にあたる特高警察を解説。治安維持法違反における思想犯罪の司法処理は、検挙→検察→公判→行刑という流れでなされる。公判以降のイニシアティブは思想検事だが、検挙においては特高警察の独壇場だった。“独壇場”の流れとしては、運動・思想・信教の情報探索→監視・尾行→捜査・検挙→身柄拘束、文書・資料の押収→長期拘留・たらい回し・拷問などを伴う取調べ→検事局へ送検。なお、特高警察は思想検察主導した転向施策には消極的で、拷問を含む厳重な取調べと処罰こそ運動からの離脱や思想の放棄を促すという立場にたっていた。2014/01/26

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