岩波新書
龍の棲む日本

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784004308317
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0221

出版社内容情報

中世日本の人々にとって龍は,地底に棲む異形の生き物であり,国土を守護する神々でもあった.龍とは何か.日本の国土とは何か.古地図に描かれた龍の姿を出発点に,絵画史料解読の第一人者による謎解きがはじまる.

内容説明

中世日本には龍が棲んでいた。人々は、地震・噴火は地底にわだかまる龍の鳴動であり、また神々は元寇の折、龍の形をとって日本の国土を守護したと信じた。龍とは何か。日本の国土とは何か。なぜ地中の龍はやがて鯰へと変容したのか。古地図に書き込まれた謎の姿を出発点に、絵画史料解読の第一人者による探索は、斬新な中世像へと向かう。

目次

プロローグ “国土”と“日本図”と龍
1 行基式“日本図”とは何か
2 金沢文庫本“日本図”と蒙古襲来
3 龍体の神々と国土守護
4 龍が棲む中世“日本”
5 大龍と地震と要石
エピローグ 龍から大鯰へ

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

23
日本という国が、龍という動物に守られているということを様々な文献から解き明かそうとしています。日本という国を龍が取り巻いていて、その頭に要石というものが置かれている画を示してくれいて興味深い論になっています。要石のあるところがひたちの国の鹿島です。この龍が鯰になったり蛇になったりしているということも言われています。面白い話です。2014/06/29

水菜

7
中世日本には壮大な地底世界があった!洞窟ロマンは中世から存在した!…雰囲気的にはそんな本(違)。多くの史料をひいて描かれる中世のイメージはとても面白い。内容と共に円環的構造をもつ構成も楽しい。はじめは読みにくいかな?と思ったが、すぐに、引き込まれた。越読、いい言葉。2014/04/16

ともとも

7
十九世紀に伊能忠敬が作成した日本地図以前には、日本列島の姿は現在とは違う形で捉えられていた。当たり前だが見落としがちなことである。 その姿の一つが「独鈷」というのが興味深い。更には龍のイメージを重ね合せることにより、これまでに見えてこなかったものが浮かび上がってくる。 巨大な龍が国土を囲う日本の姿が描かれた金沢文庫本「日本図」と「大日本地震之図」から読み解く世界観は、歴史を観る眼にもうひとつのスコープを与えてくれる。2012/03/08

半木 糺

6
中世に多く作られた「行基図」を元に中世の日本人がどのような「国土観」を持っていたのか、さらにそこからどのようなコスモロジーを有していたのか、という点にまで考察を深めている。中世には日本の姿が僧の法具である「独鈷」の形で捉えられていたという点も非常に興味深い。著者も本文中に指摘していたように、また新たに「行基図」が発見される可能性はきわめて高い。どのような「日本」の姿を我々に見せてくれるのか、楽しみである。2013/04/22

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

5
伊能忠敬がかなり正解な日本地図を作るまで、日本人は自分達の住む日本の国土をどう考えていたのか?その答えについて、ある一枚の古い地図というには現代人からみると拙い図と多くの文献より考察する一冊。中世日本では、日本の国土は独鈷の形をしており、あちこちに中心となる所があり、そして、その地には龍が棲み、ある時は外敵から日本を守り、ある時は地震を起こす。また、あちこちに龍の棲む穴があり、それらは地下で繋がっていて、遠くは天竺まで繋がっているという。仏教や蒙古襲来など様々な事象が絡み合う不思議な世界であったようだ。2014/03/30

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