出版社内容情報
冷戦終結と共に大きく変質した史上最強の軍事同盟は,新たな安全保障体制を模索しつつ,ボスニアやコソボなど域外の紛争にも関与を始めた.NATOはどこへ向かうのか? 在欧20年のジャーナリストがその実像に鋭く迫る.
内容説明
冷戦終結にともなって大きく変質を始めたNATO。この史上最強の軍事同盟は欧州の新たな安全保障の枠組みを模索しつつ、ボスニアやコソボなど域外の紛争にも関与を始めている。新しいNATOはどこへ向かおうとしているのか?在欧二〇年の国際ジャーナリストが変貌するNATOの実像に鋭く迫る。
目次
1 NATOの誕生
2 冷戦下のNATO(~一九八〇年代前葉)
3 「ベルリンの壁」崩壊とNATOの変質(一九八〇年代中葉~九〇年代初め)
4 新戦略の芽生え(一九九一~九二年)
5 NATOの東方拡大と変質(一九九三年~)
6 旧ユーゴ地域の紛争とNATO
7 NATOとロシア
8 二一世紀のNATO
おわりに 日本とNATO
著者等紹介
谷口長世[タニグチナガヨ]
1949年名古屋市生まれ。1975年東京外国語大学フランス語学科(国際関係専修コース)卒業。78年、ベルギー、カレッジ・オブ・ヨーロッパに留学。81年より毎日新聞ブリュッセル通信員、特派員を経て、91‐98年ブリュッセル支局長。同年秋、退社。現在、ジャーナリスト、英国国際戦略研究所(IISS)会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
67
2000年に出版時に資料として入手していたが、現在の事態の鍵となる組織なので通読した。当時は冷戦が終わり、NATOがボスニアやコソヴォの問題に軍事的に踏み込んでいる時代で、ロシア(エリツィン)は慎重に距離を測りながらも、むしろ接近傾向にあった(合同軍事演習までやっている)時期。しかし多くのNATO高官の証言に基づく本書の中では、将来(つまり現在)の不安定か要因が予言のように言われていて、それが結構当たっている面もあった。またロシアがこの時代からベラルーシとウクライナとの3国セットを重視していたのも分かる。2022/07/07
coolflat
10
思い描いていたのと違う内容だった。個人的に知りたかったのは、冷戦時を含めたNATOの歴史だ。特にチェコクーデターにおけるブリュッセル条約からの発展とNATO設立時に果たしたベネルクス諸国の役割が知りたかった。因みに冷戦終結後のNATOの性質の変化が本書の主な内容だ。ところでユーゴの非同盟主義の件はなるほどと思った。“非同盟主義というのは「同盟」が存在してこそ初めて存在がある”という記述だ。ソ連が崩壊し、ワルシャワ条約機構が解体したからこそ、非同盟主義を謳ったユーゴも成立し得ず、解体を余儀なくされるわけだ。2015/09/12
keepfine
1
久し振りによくわからない本に遭遇した。2016/09/20
tamioar
0
うーむ、よく分からなかった。2015/10/03