岩波新書
漫画の歴史

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  • サイズ 新書判/ページ数 201,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004301721
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0279

出版社内容情報

漫画は,大量印刷のメディアへの登場によって民衆のものとなった.本書は,一八三○年代にパリで創刊された新聞「カリカチュール」と,同時期に江戸で大評判となった『北斎漫画』から説き起こし,今日の隆盛に至る漫画文化の軌跡をたどる.諷刺画・戯画から劇画・コミックまで,豊富な図版も楽しめる一冊.

内容説明

漫画は、大量印刷が可能になって初めて民衆のものとなった。一八三〇年代にパリで創刊された諷刺新聞『カリカチュール』と、同時期に江戸で大評判となった『北斎漫画』から説き起こし、今日の隆盛に至る漫画文化の軌跡をたどる本書は、諷刺画・戯画から劇画・コミックまで、豊富な図版で傑作を紹介し、巻末に詳しい人物略歴・年表を付す。

目次

1 諷刺画・権力・大衆―一八三〇年代のパリと江戸
2 「漫画」という言葉―誕生から定着まで
3 『パンチ』と『ジャパン・パンチ』―架け橋となったワーグマン
4 自由民権期の漫画―政治を痛撃した人びと
5 中江兆民とビゴー―漫画雑誌の謎を推理する
6 ヒーローは語る―時代を映す人気者たち
7 長篇ストーリー漫画の誕生―岡本一平と活動写真
8 子供漫画の時代―推進役をはたした講談社・中村書店
9 戦争と漫画―国策遂行の要請の下で
10 大阪という発信地―鳥羽絵から劇画まで
11 戦後漫画の潮流―コミックの隆盛、一枚絵漫画の低迷

著者等紹介

清水勲[シミズイサオ]
1939年東京に生まれる。編集者、美術館研究員を経て日本漫画資料館を主宰。現在、帝京平成大学教授、京都国際マンガミュージアム研究顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

5
現代の日本文化を語る際に外せない「漫画」の歴史のうち、主に「浮世絵」から「手塚治虫」までの間についてまとめた一冊。幕末の開国以前より「絵の印刷物による大衆娯楽」が存在していた日本に欧州から諷刺画が入ってきて一枚絵から複数のコマによる長編ストーリー漫画に進化していく過程と、その中で自由民権運動や戦時下の国策としての漫画など時代の流れに影響される様がよく見通せる。巻末の漫画関係者リストの「植田まさし」の後が「歌川国芳」なのがカオス。2014/05/27

Nobu A

4
巷にマンガが溢れ過ぎてあまり考えることがない日本文化の一つの歴史を紐解く。国内最古は平安時代まで遡る「鳥獣人物戯画」。漫画の原点となる風刺画がヨーロッパを始めとする世界各国で広まったのは印刷技術のお蔭。日本では戦後、子供向けだったのが、高校生や大学生の読者層を増やしたり大衆向けの教養書や専門書の分野をコミック化して形態を増やしりして現在の漫画大国に。コミック本の発行部数は全書籍の1/3を占め、その影響は計り知れない。最近はあまり読まなくなったマンガを見る目が変わった。今度、もっと真面目に読んでみよう。2018/10/30

sabosashi

3
遊びと風刺から始まった漫画は、ニホン近代史のなかでいったんはその風刺性を強めるがそこに抵抗の余地はすくなく、時局に迎合、つまり戦意高揚に奉仕するようになる。そのプロセスで登場人物のアイドル化が始まった模様。戦後については多くが触れられていないが、未来志向、人生論(スポ根を含め)が盛りを迎える。ではいまのニホン人のメンタリティにどんな影響をあたえているのか。示唆は数多い。2013/05/27

印度 洋一郎

3
19世紀前半、フランスに登場した風刺絵雑誌と同時期に日本で出現した滑稽な絵を売り物にする「北斎漫画」から1990年代までの日本の漫画の歴史を辿る。とは言え、記述の大半が明治時代の風刺画、今でいうと一コマ漫画だから、現在皆が持っている「マンガ」のイメージとは少し違う。只、現在のマンガも元を辿れば、そこから始まっているのだから、やはり押さえておくべきだろう。コマを割り、台詞をつけた、現在のマンガがどのように誕生していったかを知るための入門編としては最適か。只、江戸時代の絵草紙なんかは、漫画に入らないのかなぁ。2012/03/30

ナオ

2
明治から現代にかけて、鳥羽絵から漫画に至るまでの漫画の歴史を紐解いた一冊。時代と共に、作者、読者、目的、内容を変え発展してきた過程を説明し、日本人の生活に組み込まれた漫画が、これから国際社会で果たしていくであろう役割に希望を持たせる締めくくり。2023/11/06

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