出版社内容情報
たんなるドイツ文学史に留まらず,個々の文学作品に即しつつドイツ文学の性格とゲルマン的精神の本質に迫ろうとした本書は,刊行以来三十年にわたって数多くの読者に深い感銘を与えてきた.そして東西ドイツの統一という新しい時代を迎えたいま,戦後文学を詳述する一章を加え,同時代の文学史として読者の要望に応えうる内容とした.
内容説明
たんなる文学史に留まらず、ドイツ文学のなかのゲルマン的精神に迫ろうとした本書は、刊行以来多くの読者に深い感銘を与えてきた。そしてドイツ統一という新しい時代を迎えたいま、戦後文学を詳述する一章を加えて同時代の文学史として読者の要望に応えうる内容とした。
目次
1 中世期
2 近代文学への胎動
3 17世紀
4 啓蒙主義とレッシング
5 シュトゥルム・ウント・ドラングの地盤
6 ゲーテ
7 シラー
8 古典主義とロマン主義のあいだ
9 ロマン主義
10 写実主義の時代
11 自然主義から第二次世界大戦まで
12 第二次世界大戦以後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みくろ
7
ドイツ文学について広く浅く紹介してありとても良かったです。文学史というと時代を絞らなければ内容が広過ぎてなかなか入りにくいものですが、本書は時代背景を踏まえながら丁寧だけれど簡潔に有名な作家・作品を紹介してあるので比較的分かりやすかったと思います。私自身は今までヘッセやカフカなどメジャーなドイツ作家の作品しか読んだことがなかったのですが、興味をもった作品もあるのでこれを機にいろいろなドイツ文学に触れたいと思いました。ドイツに少しでも興味がある方には文学案内の最初の一冊としておすすめです。2011/08/20
たか
5
仏、西読んだから今回はこちらを。2018/11/03
KAZOO
5
フランス文学案内と並んで非常にコンパクトにまとめられていると感じています。若干簡潔すぎるとは感じますが、これを道案内として岩波文庫のドイツ文学を渉猟すれば、ひとかどのドイツ文学通となると思います。2013/03/02
DonaldTrump
5
めっちゃわかりやすい。読んでて面白い!ゲーテ以前以後、そしてゲーテもよくわかる、超秀作ガイドブック!!!2010/05/10
tieckP(ティークP)
4
久々に読んだ。手塚氏の文学の基準は絶対的存在であるゲーテに似ているかどうかであり、増補した神品氏の基準は、「よりよき社会主義」的かどうかである。後者は正直、かつての「若きドイツ」の失敗と似ていて、神品氏が実体験した同時代の政治的文学が本当に特別なのか懐疑が足りない気もするが、左派ドイツ研究者としては典型とも言える。前者もゲーテ愛好家の僕でさえ首を捻るレベルながら、個人史観の文学史を読む楽しみは、そうして著者と対話をして、肯定したり否定しながら興味を持つことなので、無味乾燥な文学史とはまた別に良著だと思う。2017/05/29