出版社内容情報
法・政治思想史上の大古典として著名なモンテスキュー(一六八九―一七五五)の『法の精神』(一七四八)は,三権分立論で有名だが,近年では,法社会学,比較法学,法学史の先駆的業績として注目を浴び,法と社会の多角的な分析に,さらには異文化間の相互理解に貴重な示唆を与える書として高い評価を得ている.詳細な訳注を付した完訳決定版.
内容説明
古今東西の膨大な資料に基づいて考究したこの不朽の業績の全成までに20年もの歳月が費されたという。本巻には、その最後にあたる宗教と法律の関係を論じた第5部、フランス封建法の理論としても名高い第6部を収録。
目次
各国において確立され、その実践行為を通じて、また、それ自体として考察された宗教との関係における法律について
各国の宗教の確立とその外面組織との関係における法律について
その規定する事物の秩序との間でもつべき関係における法律について
フランス人における公民の法律の起源と変遷とについて
法律の作り方について
王国の成立との関係におけるフランク族の封建制の法律の理論
王国の変遷との関係におけるフランク族の封建制の法律の理論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
法の精神(下)中間報告、架空戦記や架空の歴史を書くにあたって役に立つ! ゲルマン民族が西ローマ帝国を占領すると土地の法律や税制がどう変わったか書いてあるので、参考になるかと(まさかモンテスキューもこんな読まれ方をされるとは思っても見なかっただろう 2022/01/02
Hiroshi
3
下巻は5部(宗教について)と6部(法律の起源と変遷)。⑤非専制政体はキリスト教によく適合。専制政体はマホメット教によく適合。カトリックは君主政によく適合し、プロテスタントは共和政と順応する。法律が無力の状態にあるとき宗教が国家を支えることがある。神聖な教義は社会の諸原理と結合されないときには極めて悪い結果を持ちうる。霊魂不死の教義は、純粋な不死の教義(キリスト教)、住処の単なる変更の教義(スキュタイ人)、輪廻の教義(インド人)の体系に分かれる。世界の宗教は人間の考え方と感じ方とに和合するしかに依存する。2022/09/28
ちゃあぼう
1
とても難解な文面です。2018/04/17
鏡裕之
1
第三巻は、ほぼフランク族の歴史に近い。その中でも衝撃的なのは、フランク族の歴史を書いたとされる伝説の人物の名前が、ロリコンであるということだろう。伝説の歴史家、ロリコン!2013/12/12
ヒデアキ
0
再読完了。フランク王国の封建制に関する分析・考察は法律家のモンテスキューらしさが詰まっている。西ヨーロッパの雄であるフランク王国の法律や政治を学ぶことが普遍的な法則につながるという強い意思が見られる。2023/10/03