出版社内容情報
理性による認識の領域にとどまらず,言語・神話・宗教・芸術など,より広範な文化諸領域における精神の表現形式を,シンボルを基本概念に据えて解明したカッシーラー(一八七四‐一九四五)の主著.第一巻では,豊富な資料を駆使しつつ広範な視野に立った言語哲学を構築する.(以下第二巻「神話的思考」,第三巻(上・下)「認識の現象学」)
内容説明
「認識の現象学」と題された第三巻では、言語、宗教、神話を構成する内的形式を解明した成果を基底において、経験的思考におけるシンボルの意味を考察する。上巻には「序論」「第一部表情機能と表情世界」「第二部表出機能の問題と直観的世界の構造」を収録。
目次
序論(認識の実質と形式;シンボル的認識とそれが対象世界の構築にとって有する意義;内的経験における〈直接的なもの〉―心理学の対象;近代形而上学における直観的認識とシンボル的認識)
第1部 表情機能と表情世界(主観的分析と客観的分析;知覚意識の基本契機としての表情現象;表情機能と心身問題)
第2部 表出機能の問題と直観的世界の構造(表出の概念と問題;物と属性;空間;時間直観;シンボルの受胎;シンボル意識の病理学に寄せて)