出版社内容情報
英語と独語によく似た単語があるのはなぜかと説きおこすことから始めて,古期英語がいかなる道筋をへて今日の英語へと生成発展してきたかを平易明晰,興味つきぬ語り口で説き明かす.著者はOEDの卓越した編纂者.一般読者のために書かれた英語史として,類書中群を抜く入門書である.原題「英語の成立」の完訳.
内容説明
英語とドイツ語によく似た単語があるのはなぜかと説きおこすことから始めて、古期英語がいかなる道筋をへて今日の英語へと生成発展してきたかを平易明晰、興味つきぬ語り口で説き明かす。ブラッドリ(1845‐1923)はOEDの卓越した編纂者。一般読者のために書かれた英語史として、類書中群を抜く入門書である。原題「英語の成立」の完訳。
目次
第1章 序論
第2章 英語文法組織の成立
第3章 英語に対する外国語の影響
第4章 英語の造語法
第5章 意味の変化
第6章 英語形成の貢献者
第7章 英語の拡張
第8章 英語の現在と未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
55
書いていなかったようです。1066年のノルマン征服もどんなものであったか、世界史を学び直したい。1611年、欽定英訳聖書は慶應通信で学んだことを思い出しました。各国からの借入語も、フランスやドイツなど、今にどうつながるのか、欧州内外の歴史を繙ける。原著は日露戦争の1904年発行。この頃の日本人の英語学習は、なかなか困難であったかもしれない。何かで確認したい。2024/01/04
棕櫚木庵
21
1/3) ある方のコメントで思い出した本.随分昔に読んだ.七面倒な分野(失礼)のはずなのに門外漢にも楽しく読めた記憶があるが,内容はほとんど忘れている.ただ,英語変化の趨勢として,単純化(例外の消失)や明晰化(異なる意味を言い分ける表現へ)が指摘されていて,日本語の変化と思い合わされて興味深かった.たとえば「ら抜き言葉」.これは単純化であり(「書く」などと同じ活用になる),また,受動と可能を言い分ける明晰化でもある.日本語も単純化・明晰化されていくなら,「ら抜き言葉」も早晩定着するかも,と思った.2020/04/27
にゃん吉
7
OED編纂者の著者による現代英語の生成発展過程の解説(7章以降は、別著者の加筆とのこと)。私は、英語がダメなので、難しいところもままありましたが、全般に平易に書かれていて、興味深く読めました。初めて知ったり、気づいたことばかりで、全くわからない古英語の例文を見て、ここから現在の形にまで英語が変容したことに驚いたり、外国語から取り入れた単語、造語法等が多々あるらしいこと、古語が残った方言、文人による言葉の創造など、色々なことについて興味深く思ったりしながら、読了しました。 2021/05/16
本命@ふまにたす
4
英語の発達史についていくつかの観点から論じる。網羅的ではないかもしれないが、英語史を考える上でヒントや参考になりそうな部分が多数ある。2023/07/08
Akiro OUED
3
古英語は、現代英語と大きく異なる。これと比べれば、万葉集の時代の日本語は、あまり変化していない。強力な造語能力を持つ英語は、思想の伝達媒体として着実に進化するだろう。造語能力なら、日本語も負けてないけどね。フランス語のdeに影響を受けて英語のofができたというのが意外。良書。2023/02/01