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岩波文庫
ケーベル博士随筆集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003364116
  • NDC分類 944
  • Cコード C0110

出版社内容情報

わが国の哲学界に大きな寄与をなしたケーベル博士の著作の中から,とくに博士の人格,感情,趣味,嗜好など,自由に表現された随筆を採録したもの.友としたい偉人,私の理想とする生活,孤島へ携うべき本五冊,ローマン主義など,有名な「問と答」のほとんど全部が収められている.人生の指針となるすぐれた教養の書.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

17
7「私の見た日本」がある。 日本人の精神や性格を醜くする傷所は、 学生を含めて、 虚栄心と、自己認識、批評的能力の欠乏である(87頁)。 今もそうなのだろう。 夏目漱石のような批判が向けられるということだ。 虚栄心は日本人を虚言者とする。外人の目を 眩まして存在しないものを存在するかのように信ぜしめる。 虚無によって催眠状態に陥れられる。 盲目にし、傷害、破滅に導く(88頁)と痛罵される。 原発事故を言い当てられている気もした。 桜の季節には、牧歌的哀歌的なる天性が現われる。 2014/04/09

てれまこし

14
日本にドイツ式の「教養」の本場の観念を伝えたのは、どうもこのケーベル先生だ。煩悶型ではなく泰然自若としたエピキュレアンに近い印象を受けるが、それでもドイツ観念論やロマン主義の洗礼を受けた生粋のドイツ系教養人(ロシア国籍だけど)。であるから、やっぱり感性界を疎んじ、見えない国へ憧れの視線を向ける。学問するは立身出世でもお国の進歩のためでもない。自分を惨めな感性界から引きあげるためである。近代化のために西洋から雇われた外国人から、近代化の指導者たる学歴エリートが、まさに近代批判を習うという妙なことになっとる。2021/07/10

オザマチ

11
虚栄心に支配されないこと、故郷への想い、悪しき批評家にならないこと。ケーベル博士のような考えと言葉は、今日では笑われるどころか、心に浮かぶことすら無くなりつつある気がする。2022/07/03

Ex libris 毒餃子

6
日本の哲学史を理解するために読む。日本人論についてが1番興趣深い。2016/01/03

大岩 雄二郎

3
「ドイツロマン派」を理解するための鍵となる書籍となった。随筆集なので取り上げられるテーマは多岐に渡るが、論は螺旋を描くように展開し、ふたたび舞い戻った時には高い次元からそのテーマに接することが出来る。文学作品についての言及も多いので、取り上げられた作品は今後読みたいと思っている。ただ残念なことにクラシック音楽についての雑感を述べている部分でよく分からない個所があった(「メンデルスゾーンのヴァイオリンコンサートやト短調のピアノコンサート」とあるが、これは協奏曲のことなのか?)2014/02/22

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