出版社内容情報
尾張藩士,朝日重章の貞享元年(一六八四)から享保二年(一七一七)まで三四年間の日記から興味ぶかい記事を摘録.書名は,鸚鵡の口真似のように,あらゆる見聞をそのまま書いたことに由来する.好奇心あふれる著者の筆は,町人世界の日常の出来事や噂話,藩士の生活を伝えるとともに,赤穂浪士の討入りなど藩外の重大事件にも及ぶ.付・年譜
内容説明
五代将軍綱吉から八代将軍吉宗の時代まで三四年間にわたる日記。尾張藩政の裏面史をはじめ町人世界の日常の出来事や真偽不明の奇事・怪談の噂話等まで筆を惜しまずに書き留められている。下巻は、宝永二(1705)年―享保二(1717)年の日記から摘録。年譜を付す。
感想・レビュー
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にゃん吉
4
下巻は、宝永2年(1705年)から享保2年(1717年。朝日重章の死亡直前)までの日記が抄録されています。上巻同様、多様な記事が書かれていますが、著者の身辺については、離婚、再婚、親との死別、孫の誕生から、死の予兆と 体調不良などが記されています。それ以外では、御三家に身を置く者として、やはり思うところは多かったのか、紀州から吉宗が将軍に襲位したことに関する記事が多く見られ、興味深い。宝永の富士山噴火に関する記事もあり、当時を知られる貴重な記録かと思われました。 2023/11/19
狐狸窟彦兵衛
1
下巻読了。富士山の噴火や、小判のふきかえ、将軍の代替わり、特に尾張公が継ぐと言う流れが、紀州に急変して、八代吉宗が誕生した際の、町の落書など詳しく書き込まれていて興味深かった。若い頃の上巻より、情報が充実している。町の刃傷沙汰が、あまり脈絡なく混ざっているのも新聞の社会面読むようだと思った。2022/08/26
AR読書記録
0
上巻が元禄地震の余韻醒めやらぬままに終わったので,こちらでもつい災害系記録に目が行ってしまう.名古屋の大地震.富士山の噴火.疫病の流行.人喰い狼も大暴れ.しかしまあ,中堅地方公務員的な筆者は,おおよそ人生を謳歌してらっしゃるようで,呑んでは悪酔いして後悔,食べては胃部不快感にくよくよ.漱石先生を彷彿とさせる... どうやらあまり長生きはなさらなかったようですが,晩年,孫の誕生に喜び,共に過ごす姿が見られるのは,こちらも幸せな気分にはなれます.2013/07/16