岩波文庫<br> ある歴史家の生い立ち - 古史弁自序

岩波文庫
ある歴史家の生い立ち - 古史弁自序

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003344217
  • NDC分類 289

出版社内容情報

中国の卓越した古代史家顧頡剛(こけつごう,一八九三―一九八〇)の自伝.著者は二,三千年間の妄説と偽造によって成り立つ古代史をきびしく批判し,世界の東洋学者を瞠目させた.自伝は,幼児からの批判精神がいかに育てられ実効を収めたか,学問の対象に民間伝承をどう取入れたかなど,近代史学をめざして奮闘した道程をつぶさに語っている.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

2
疑古派や顧頡剛自身の古史学が形成された背景を確認しようと再読。康有為らの今文学や京劇を含めた民間伝承・民俗学への興味が大きな影響を与えていることを再確認したのはともかく、顧頡剛33歳の時の著作ということで、彼の「厨二」性が感じられたのが意外な発見だった。2016/05/06

韓信

1
顧頡剛自伝。幼い頃から歴史や物語にふれてきた家庭環境から、まだ科挙の存在した清末から民国期にかけての学生生活、大学時代の章太炎・胡適らの影響、歌謡の収集という民俗学的アプローチと考古学的成果の導入による古代史の見直しなど、33歳までの半生を綴る。邦訳のある『中国古代の学術と政治』しか読んでないのであまり思い入れがなかったけど、少年時代に自分で歴史書を作ったり、文学を志すも才能がなくて挫折したり、「ちょっと名があるからって俺にばかり仕事押し付けやがって」というミサワっぽい自虐風自慢をしたりで親近感が湧いた笑2021/09/08

アマチュア読者

1
なごやか読書会で紹介した本。清の時代が終焉し、軍閥政権下の中国ではヨーロッパの影響が広まり、学問に科学的なアプローチが導入されるようになった。本書は、伝統的であった中国の古代史を客観的な視点から捉えなおした著者の自伝である。学問に対する真摯な態度や信念は、読者を奮い立たせずにはおかない。巻頭に掲げているロダンの言葉、「根底から、容赦なく、真理を語るものであれ」は著者の生きざまを物語っている。2020/06/28

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