出版社内容情報
仏教が興起したはるかな昔,ブッダのまわりには悩みを持ち虐げられた不運な人々が大勢集まり「なかま」を形づくった.仏弟子たちは,おのが煩悶,悪魔の誘惑,救いを得たいという熱烈な希望,努力と挫折,ついにブッダに帰依して心の安住を得た喜びなどをこもごも語ったという.その一人一人の告白は,今もなお切実で感銘深い.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃんたか
23
自らに何度も問いかけ、苦しみ抜いた末にようやく平安の境地を見出だす求道者。世俗の享楽を真しやかに嘯く女の偽善に直面し、天啓のように悟りの道を開く好色者。嘘偽り無い五蘊の醜悪を告白する仏弟子の嘆きと懊悩は、かえって彼らの解脱の喜びを色鮮やかに浮かび上がらせている。かつては富裕層にあったはずの托鉢僧らは、妻子や財産を棄てて顧みない。家庭に残る者からすれば迷惑も良い所だが、彼ら個人の喜びは無二のものであっただろう。我が身の幸福が永遠に続くものでないと悟る時、人間は宗教以外のどこに救いを見出だすのだろうか。2017/03/31
ホシ
20
【「われらは、この世において死ぬはずのものである」という、このことわりを他の人々は知っていない。しかし、人々がこのことわりを知れば、争いはしずまる。人々がことわりをはっきりと知らないときには、自分たちは不死であるかのごとくに振る舞う。しかし、ことわりをはっきり知っている人々は、病人のあいだにおける無病者である。(275,276)】コロナが広まろうとなかろうと、私たちは死ぬときゃ死ぬ。ワクチンを接種した帰りに交通事故死するかもしれない。コロナで死ぬ確率より熱中症で死ぬ確率の方が高いらしい。2020/12/26
はちめ
6
釈迦牟尼の直弟子又は孫弟子の時代までは釈迦牟尼の直接の影響が残っていて、それを記録しようとした試みだと思う。釈迦牟尼が語ったことをそのまま行うことによって解脱できた人、釈迦牟尼から励まされて実践できた人がたくさんいた。そのことによって励まされるということがあったのだと思う。☆☆☆☆☆2022/10/21
はちめ
3
とりあえず読み終えたという感じ、釈迦牟尼の肉声からはますます遠ざかっていく。ゴータマシッダールタの直接の記憶が薄れていく中で、信仰を保つことの難しさがあったのだろうか。とにかく、尼僧の告白までは読み進もうと思う。☆☆☆★2018/10/08
randa
2
捉え難い心と正面切って闘う姿が印象的。2017/09/02