出版社内容情報
源信(九四二―一〇一七)は,初めに八熱地獄の一つ一つの大きさ・業因等に触れ,その極苦の様をリアルに描いて罪の恐ろしさを思い知らせる.その上で,地獄に堕ちず極楽往生するには一心に仏を想い念仏する以外にはないと説く.源信の思想は法然・親鸞の浄土教にうけつがれるが,とりわけ地獄思想は文学・絵画に深い影響をおよぼした.
内容説明
源信はあまたの仏典を引用しながら全体を十章に分け、本書を整然とした体系に作りあげた。執筆期間三か月余、源信の博識と思考の強靱さを窺わせる。がそれだけではない。第六章「別時念仏」臨終の人に念仏を勧める段は、仏典に拠ることなく、いままさに生命を終わろうとする人への源信の真情をせつせつと述べ、人の心を打たずにはおかない。
目次
大文第六 別時念仏(尋常の別行;臨終の行儀)
大文第七 念仏の利益(滅罪生善;冥得護持 ほか)
大文第八 念仏の証拠
大文第九 往生の諸行(諸経を明す;惣じて諸業を結ぶ)
大文第十 問答料簡(極楽の依正;往生の階位 ほか)
著者等紹介
源信[ゲンシン]
942(天慶5)年大和国葛城郡当麻に生まれる。950(天暦4)年比叡山に登って出家し、良源に師事する。954(天暦8)年得度受戒。985(寛和1)年4月、『往生要集』できあがる。1017(寛仁1)年6月10日、示寂
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