出版社内容情報
自らに由ってあらゆる呪縛から独立した人,即ち真の自由人の在り方を臨済・普化などの禅門に,はたまた荘子の中に追求してその「面目」を描く.近代哲学の用語と方法を用いて禅と道家の思想にユニークな解釈を加えた先駆的な業績.昭和六年,三十二歳で逝った前田利鎌の遺著『宗教的人間』の主要部を収めた. (解説 入矢義高)
内容説明
自らに由ってあらゆる呪縛から独立した人、即ち真の自由人の在り方を臨済・普化などの禅門に、はたまた荘子の中に追求してその「面目」を描く。近代哲学の用語と方法を用いて禅と道家の思想にユニークな解釈を加えた先駆的な業績。昭和6年、33歳で逝った前田利鎌の遺著『宗教的人間』の主要部を収めた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
零水亭
14
ある程度『臨済録』『荘子』読んだ後、2009年頃、読みました。『臨済録』の入門書としては最も優れていると思います。『荘子』の解説は自分には高度過ぎて、福永光司氏の「荘子」ほどは印象に残りませんでしたが、哲学好きな人なら理解しやすいのかも。他に「法眼」(江戸時代の盤珪禅師のこと)や自身の参禅した師匠のことなども収録。 若くして亡くなったのが惜しまれます。2020/12/03
大道寺
3
著者は昭和6年、32歳(今の私と同い年)で逝った哲学者で学生の頃に参禅している。著者のことは知らなかったが、禅と老荘を並べている所に興味を惹かれ購入した。以前、森『老子・荘子』の感想で「仏教を老荘的に受容したもの、それが禅宗と浄土教であると言うことができる。」と書いた。/禅の話は例によってわかったような、わからないような。「臨済」も「荘子」も読み物として面白く読める。特に「狂僧普化」の話が面白かった。/老子の道は形而上学的で、荘子の道は認識論的、というのはこれまであまり意識していなかったがなるほどと思う。2013/01/04