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岩波文庫
林達夫評論集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 362p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003315514
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

歴史家として批評家としてまた編集者として,戦前・戦後を通じ,政治・思想・文化の動向につねに鋭い批判の矢を放ってきた林達夫.稀有なまでの自由な精神に支えられ,驚くほど多岐の領域にわたって展開するその著作すべてを貫く批評精神とは何なのか.ここに十八篇を精選して,林達夫の精神のスタイルを浮き彫りにする.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

24
父と息子との対話:賞味期限の件でまた私は怒ったが、日々の友だちとしての対話は1日の最も純粋な愉しい時間であることも事実(21頁~)。無理無理。認知症外来を奨めないと。著者はアメリカ人の家庭教師に就いた(24頁)。ある一国の文化史には、社会的原因から先進国文化の継承、摂取に努める時代がある(57頁)。それだけではまずいけれど。学説所有権の擁護の叫びは学問泥棒に対する学者の生活権擁護の叫び(62頁)。剽窃と小保方問題か。教養とは魂が形態を得ること。人間は落ちついたところの芸術品であってはならぬ(74頁)。2015/03/04

NICK

15
批評家にして批評家にあらず。「批評家棄権」で批判されているスノビズムと林達夫は無縁である。例えば、学問的アプローチによって日本の問題を暴くというような言説は溢れかえっている。ところが林は鶏の飼育から文化が定着しないという日本の性質を見出すのだ。林のような知性は何らかの立場に束縛されない。敵対もしない。その立場に擬しながら正反対のこともやってのける。「反語的精神」の通り生粋のアイロニストなのだ。党派性に与しないアイロニー精神こそ精神の自由の獲得であり、林が「精神史」という領域横断的な文章を書けたゆえんである2014/07/10

zumi

8
友人がいつかなんかの際に勧めてくれたのをふと思い出して、そそくさと「十字路に立つ大学ーー困った教授、困った学生ーー」だけ読んだ。今でも色褪せない。これ読んでから大学入学した方がいいかもしれない。2014/04/02

seer78

5
領域にこだわらぬ自由な精神の軌跡。プラトンはまず戯曲として読めという意見はもっとも。まず芸術として味わうこと。そこから翻って近代的な芸術定義が揺るがされる展開になる。ベルクソン『笑い』についての間に四十年近いブランクがある二篇の解説では、バフチンやサルトル他文献案内、今では古くなっていようが、知的好奇心の粘り強さに驚嘆する。ヨーロッパの説話「三つの指輪」、中世から近代直前までの諸異本の比較・分析から、寛容論へと至る。さいごの「精神史」。美術と文学、古代とルネッサンス、現代を跨ぎ超す、凄い脚力の知的自叙伝。2019/10/06

Akito Yoshiue

3
内容見ないで買ったら、平凡社の林達夫セレクションに入っている文章ばかりだった…2015/06/12

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