岩波文庫
セヴァストーポリ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 204p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003262023
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

出版社内容情報

トルストイがはじめて将校に昇進してそのさかんな生命力がいやが上にも力強い活動や感情を求めてやまなかったころ,たまたま彼はいわゆるクリミヤ戦役の行なわれていたセヴァストーポリへ転任を許された.この作は作者がその戦場で直接見聞体験したところのもので,トルストイの作品中もっとも早く西欧に知られた名篇である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

9
自らもクリミア戦争で戦ったトルストイによる戦記文学の古典的名作。戦争という異常な現象に際会した人々の心の動きを描いて余すところがない。とりわけ、プラスクーヒンが足元に転がってきた炸裂弾で命を奪われる場面、その心理描写の鋭さは異様。《いや、おれの方が近い…おれだ!》。下世話な言い方だが、本当に人生を2〜3周してきた人間が書いたのではないかと思われるほど(ちなみに当時トルストイは27歳)。2023/12/09

kozy758

6
さすがトルストイだ。人物も光景も見事な描写である。抑えた文体が淡々と戦闘と兵士、将校のありざまを語る。『戦争と平和』で描かれる戦時の情景を思い起こす。38年ぶりの重版とはさすが岩波文庫。他ではなかなかないだろう。2019/06/30

あくび虫

5
不思議なほど黙々と読んでしまいました。淡々としているのにどこかドラマティック。ところどころ物凄く絵的な場面があり、鮮やかに浮かび上がるシーンには、嬉しくなってしまうほど絶妙な言葉がはめ込まれています。登場人物への批評がなかなか辛口なのが生々しく、手触りがしそう。――面白かったです。2018/06/16

櫻井 良彦

4
戦争と平和の原点とも言える貴重な一冊。漢字と熟語が難しかったけど意外とサクサク読める。2015年春の一括リクエスト復刊で買ったので、またいつ買えなくなるかわからないからお早めに大きめの書店にgo!2015/09/12

wei xian tiang

4
近代戦の悲惨さへの反省、反戦思想の原点ともいえるクリミア戦争であるが、家族連れの兵が多く女房連が陣中自由に出入りしていたり、露軍の将兵がフランス語で話してみたくて僅かな停戦を待ち焦がれて敵陣に話しかけてみたり、将校も兵も毎日飲んだくれていたり、我々の持つ戦争概念と随分異なる所も多く興味深い。2014/07/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22228
  • ご注意事項