岩波文庫
散文詩

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  • サイズ 文庫判/ページ数 210p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003260876
  • NDC分類 981
  • Cコード C0198

出版社内容情報

生涯の大半を外国で送った西欧的なロシアの詩人ツルゲーネフ晩年の詩篇.死に直面してなお深い生の力を蔵し,厳しい熱意と誠意に燃えながら観照し,思索し続ける悠遠なる詩魂.その魂が肉体の力に裏切られ,押し流される…….この散文詩は,単なる老成の言葉ではなく,裸にされた魂の悲劇を歌う永生の詩である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

108
ツルゲーネフ晩年の作品。詩と銘打たれているが、寸言や短編のように読める作品もある。全体的に悲観的な作品が多くて、老いてからの作者の苦しい胸の内が伝わってくる。「老婆」のように死を形象化した作品には、鬼気迫るものを感じた。自然や動物、人々に対する愛をテーマにした作品もあり、瑞々しい叙情性に心が洗われる気がした。トルストイを訪問した時に書かれた「つぐみ」が一番印象に残った。作者の気持ちの高ぶりが伝わってくる。作中で描かれているつぐみは、トルストイのことなのかもしれない。芸術による救いが暗示されている。2017/02/26

しゅてふぁん

52
『読者よ、この散文詩をひと息には読み給うな。ひと息に読めば、おそらくは退屈して、この書はむなしく君の手に落ちよう。(中略)そのとき、なかのいずれかは、ふと君の心に触れるかもしれぬ。』-この作者の言葉通り、毎日少しずつ読んでみた。本当にその通りで、何日かに一編はふと心に触れるものがあった。読んだ瞬間から頭に残ってその日一日離れなかったフレーズは『うるわしく、さわやかなりし、ばらの花(P121)』(←諷刺詩人ミャトリョーフの詩句を借りたもの、だそう。)読む度に心に触れる詩が変わりそうなので、ぜひ再読したい。2019/03/02

スプーン

36
小粋でバラエティ豊か、こころざし高き散文詩集。人生の1ページを切り取ります。2019/07/21

屋根裏部屋のふくろう🦉

7
お気に入りの詩は『自然』。ざっくり言うと「この世で自分が産まなかったものは何一つない。命を奪った分新たな命を与えるだけ。人間の正義?正義とは何か?人間が決めたことでわたしには関係ない。つまり、平和、正義、そんな人間が決めた取り決めは人間の世界だけのことであって、ほかの全ての命には関係ない。(つまり人間だけが特別なのではない)」とこの女神は言う。お前ら人間は何を傲慢になっているんだい?と言われている感じ。全ての命を与え奪う。特別扱い無し。なんだか生きとし生けるものが愛おしくなる。2018/03/07

sk

6
様々な機転を利かして詩として成立させている。現代に詩を書くうえでも参考になる詩集。2018/07/16

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