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岩波文庫
ドン・ジュアン (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 161p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003251232
  • NDC分類 952
  • Cコード C0198

出版社内容情報

スペイン伝説の放蕩貴族ドン・ジュアン.モリエールはこの男に,義侠心に富み胆の太い武人,徹底した無神論者,偽善者など多面的な性格をつけくわえ,自分の欲望に限りをつけられない,快楽の「永遠の探求者」という近代的な人物像を創りだした.鋭い人間洞察・時代観察に裏打ちされたモリエールの代表作.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

193
大元はスペインの伝説らしいのだが、この主人公は作家たちの創作意欲をそそるようで、バイロンやアポリネール、そして、より人口に膾炙したところでは、ダ・ポンテ原作によるモーツアルトのブッファの最高傑作『ドン・ジョヴァンニ』などがあげられる。そうした中で、モリエールは先駆的な位置にいるのだが、17世紀という時代にあって、まったく神をも畏れないドン・ジュアン像の造型は時代を大きく先取りするものであっただろう。もちろん、モリエールは観客や社会に配慮して、ドン・ジュアンに鉄槌を下し、地獄に送り込んではいるのだが。2014/07/22

のっち♬

125
作者は「ドン・ジュアン」伝説の流行に肖り、無為徒食の旧封建貴族層から快楽児・無神論者・偽善者の人間像を錬成した。それも表面的な戯画化に留まらない独自の価値観や義侠心を持った近代的な複雑さで、幕から幕へ次々と表情が変貌する様に演劇人の精神を切に感じる。よって、三一致法則を大胆に破った構成の不統合感が目立ち時事ネタが飛び交うにも関わらず、本作は今日も耐久的な人気を誇っている。不整合の一端である百姓娘の部分も斬新な試みの一つで、主人公と話すシャルロットの標準語に所々訛りが入る様子は人物像の精彩に一役買っている。2023/10/09

ケイ

101
バブルの頃の日本では評価されたのじゃないかしら。仕事(騎士道)をし、色を好む。女は抱くまでが楽しくて、さて次へ。そのあたりのことは林真理子さんの小説に多いが、バブル男と違うのは、ドン・ジュアンはお金で女を釣るのではないということ。ドン・キホーテの奇想天外な夢をささえるパンチョがいて、ドン・ジュアンにはスガナレル。追いかける対象が自分の妄想か女かで、従者の語り口にも違いがでるものだな。2022/06/14

新地学@児童書病発動中

101
モリエールの代表作の一つ、喜劇『ドン・ジュアン』。主人公のドン・ジュアンはスペインの伝説的な放蕩貴族がモデルになっているそうだが、この劇では複雑な性格を持っており、その点がこの劇に奥行きを与えていると思う。とは言え、難しい内容ではなく、テンポのいいコメディーとして楽しめる。次から次へと女性に目移りしてしまうドン・ジュアンが、気まぐれに騎士道精神を発揮する場面が面白かった。ドン・ジュアンの悲惨な死に方は哀れなものだが、ここにモリエール一流の皮肉がこめられていると思う。2015/03/21

金吾

43
モリエールは学生の時は好きでよく読みました。実家の本棚整理で何冊か発掘しましたのっ久しぶりに読みました。ドン・ジュアンを ただ軽薄な人として描くのではなくスケールの大きな人物として描いていたのが良かったです。2023/03/26

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