岩波文庫<br> ポオ評論集

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岩波文庫
ポオ評論集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 323p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003230657
  • NDC分類 934
  • Cコード C0198

内容説明

短篇小説の名手、詩人としても知られるポオ(1809‐49)だが、彼は理論家・批評家としての顔も持っていた。その明確な方法意識を示す「詩作の哲学」「詩の原理」等の著名な詩論、クーパー、ホーソーン、ロングフェロー、ディケンズ等を論じた同時代評を収録。ポオならではの筆法で書かれた9篇から成るアンソロジー。

目次

某氏への手紙
ディケンズの『骨董屋、その他の物語』
『ヘリコン山のざわめき』
書評欄への年頭の辞
ロングフェローの『バラッド』
ホーソーンの『トワイス・トールド・テールズ』
フェニモア・クーパーの『ワイアンドット』
詩作の哲学
詩の原理

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

80
評論が率直で面白いが、本書の中心は、ポーだけあって、「詩作の哲学」「詩の原理」だろう。 「詩作の哲学」では、大概の作家、特に詩人は、一種の精妙なる狂気ーー恍惚とした忘我の境地で創作すると思われるのを好みーー反対に、世間に創作の舞台裏をのぞかれるのを(中略)極端に嫌悪する。」が、ポー自身は、「そうした嫌悪感とは無縁だし、自作の創作過程を逐一思い出すのにいささかの難儀も感じない」と言う(p.161-3)。 「詩の原理」での主張も興味深いが、その要点をまとめるのはやめて、一番感じた記述を引用するにとどめておく。2020/09/27

壱萬弐仟縁

9
解説で「ポオが事の本質を見抜く眼識の持ち主であった」(316ページ)。読者も本質を捉える読みと共感力が求められる。「音楽が心地よい観念と結びつくとき、それは詩となる」(23ページ)。批評は、美を公平・寛大な賞賛をもって世に広め、人生と行動上の問題に関わる普遍的好奇心に指針を与える。エッセイであり、説教、雄弁、歴史の一章、哲学的思弁、散文詩、芸術的小説、対話。ユーモア、自伝感情、政治感覚も許容する(マシューズ氏1842年71ページ)。独創性、創造性、想像力、韻律の美の創造こそ詩の本質(98、204ページ)。2013/02/04

袖崎いたる

7
ポオのイチャモン集。まえにチラッと、ポオが無駄な言葉を作品に入れるのは言語道断!と言っていると小耳に挟んだことがあって「怖ェ〜」と敬して遠ざけていたのだけれど、いざ読んでみると、教条主義的な頭デッカチじゃなくてホッとした。自作解説にしても、影じゃあ作り話と言われてるらしいし。2020/01/13

ラウリスタ~

6
詩人って儲からないみたいで、ポオは雑誌、新聞に文章を書く事で生活していたそう。そんな事情から生まれたのが、本書に収録されている評論。主に何かの本についての書評の形を取っている。後半はポオの詩観を聴衆に語る。英語の詩とその訳が続く。英語の詩ってなかなか読みにくいね。意味を取るのが大変。詩はせいぜい100行ぐらいがいい、って主張に納得。長い詩ってのはその言葉自体に矛盾を孕んでいると。集中力を持続できる長さで、一つの詩をおさめるべきだと言う。叙事詩なんか論外だと。言われてみれば詩を読むという労力は大変なもの。2011/12/02

有沢翔治@文芸同人誌配布中

5
大鴉の解説は本人で言っているほど、論理的ではない。例えば集中力が途切れない長さがいいという言説は頷けるとしても、100行が適切な長さという論拠が示されていない。例えば、人間の集中力は連続15分が限界で、この範囲で収まる分量にする。人間は1分間に平均400字読むことができるので、6000字程度が望ましいなどという論理展開をしているなら納得がいくけど(ちなみにこの方法で実際に計算してみました。一般的な五歩格で作ると125行になりました)2016/11/05

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