岩波文庫
クリスチナ・ロセッティ詩抄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 203p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003223413
  • NDC分類 931
  • Cコード C0198

出版社内容情報

クリスチナ・ロセッティ(1830‐1894)はラファエル前派の画家・詩人ガブリエルの妹.13歳で作詩をはじめ,つましい一生に多くの詩をものした.その自然観・人生観・宗教観は雄大でも激越でもないが,詩は谷水のように清く,散る花のごとき侘しさをたたえている.抒情詩を中心として,童謡・宗教詩などから全部で88篇を選訳した.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

50
「誰が風を見たでしょう」という1篇を読みたい、ただそれだけで1冊をまるごと読む。初版が1940年、今読むとそのわりに翻訳が古風で、「風」も1921年の西条八十訳の方が現代的。原作の19世紀の雰囲気を出そうとしたのかも。田園の陽光のような明るさの中に、つねに死の影を感じるのは、作者が病弱だったせいだろうか。それでも64歳まで生きて多くの作品を残した。2019/06/23

有理数

20
19世紀の詩人クリスチナ・ロセッティの詩集。「百合」や「薔薇」といった植物の名前が頻出するように、自然への眼差しが素朴に優しく並べられている。けれど詩に宿るのはその雄大さではなく、ただ一輪の花にそよめく風と、そのすぐ隣で歌う少女たちの、かろやかなで可憐な情念という、何とも謙虚で淑やかなものだった。自然だけでなく、神への敬虔な祈りを交えた宗教歌、姉妹や家族の詩、恋人への語りのような優しげな詩、童謡などもあり。そのどれもがいい意味で稚気に満ち、素直で無垢で、だからこそ美しく華やかな空気に浸してくれる。2015/10/14

双海(ふたみ)

16
谷水の如く清く、夕霧の如くほのかに、散る花の如く侘しさを湛えた・・・英国の閨秀詩人。百合、薔薇、菫、忍冬、林檎、櫻・・・随所にみられる植物たちが私を大いに喜ばせるのです。2014/03/10

じゃがいも

12
若い時に読んだ上田敏の「海潮音」でロセッティとあり、菫や星をロマンティックに詠う、画家マリーローランサンのような少女的な人と思っていましたが、体が弱かったためか抒情歌は暗いです。童謡とバラードは明るく童心が自由に広がりこちかの方が好きですね。2020/05/30

真竹

8
祝復刊。地元の図書館にもなかったので嬉しい。言葉選びと作風が可憐かつ繊細で、これは戦前の文学少女に愛読されていそう…と思いながら読んだ。個人的に、恋心を様々に喩えた「それはなに」が好き。2015/02/11

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