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岩波文庫
ヘーシオドス 仕事と日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 200p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003210727
  • NDC分類 991
  • Cコード C0197

出版社内容情報

飢えをしのげるよう神々が我々に与えたもの,それが仕事すなわち農耕である.こうヘーシオドスは説き,人間が神ゼウスの正義を信じ労働に励まねばならぬことわりを,神話や格言を引きつつ物語る.古代ギリシアのこの教訓叙事詩からは,つらい現世を生き抜く詩人の肉声が伝わってくる.付載『ホメーロスとヘーシオドスの歌競べ』.

内容説明

餓えをしのげるよう神々が我々に与えたもの、それが仕事すなわち農耕である。こうヘーシオドスは説き、人間が神ゼウスの正義を信じ労働に励まねばならぬことわりを、神話や格言を引きつつ物語る。古代ギリシアのこの教訓叙事詩からは、つらい現世を生き抜く詩人の肉声が伝わってくる。『ホメーロスとヘーシオドスの歌競べ』を付載。

目次

仕事と日
ホメーロスとヘーシオドスの歌競べ

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1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

27
『仕事』は、怠け者で無頼者の弟を諌めるために歌われたといわれる教訓叙事詩。神話や格言をつかって諭していくの は、後にアリストテレスが『弁論術』で述べている、本人に直接正論をぶつけるのではなく、間接的に言うと説得できるという技術が駆使されていて素晴らしかった。教訓の奥底には、人知を超越した不可知や神秘に対する「畏敬の念」を抱くべきというヘシオドスの敬虔な思いがあるのだろう。大地に太陽に、神々に感謝する。現代では科学主義によって薄れている思いが生き生きとしていて、改めて謙虚に生きることの清々しさに心打たれた。2023/12/20

みけ

19
謹厳実直に生きる事。ゼウスによって、人間の生命に大切なものは隠されている。易い方に流されればいずれ必ず立ち行かなくなる。大地の徴を見落とさず、然るべき時に種を植え、耕し、収穫せよ。労働の分対価を望める。しかしゼウスの気まぐれに苦しむ事もある。その時も神々を敬い、ただなすべき事をなせ…。紀元前七・八百年頃、放蕩者の弟にされたという説教は、当時の人間が神々と自然と共に生きていた様子を現代まで伝える。ホメロスの神話とはまた違った趣きがある。2019/02/23

パラ野

18
「仕事と日」骨肉の遺産争い。兄のヘシオドスからどうしたら遺産を奪えるかとプラプラしてる弟へ労働が神にかなうことであり、弁舌や暴力で金銭を奪ってはいけないよという冒頭から始まる。熱心に法廷を回って、兄の財産を狙い、畑も耕さずに貧困に落ちてく、という警句がこんな時代にまで翻訳されて読み継がれるとは、哀れな弟よ。古代ギリシャの信仰と生活がわかる一冊。男性諸君のトイレ事情も。「詩くらべ」は真贋よりも、古代ギリシャの厭世観が強く出ています。「仕事と日」の鉄の時代についても同様。数年ぶりの再読。2014/07/25

壱萬弐仟縁

16
わりに大きな活字で読みやすい本。「正義の道を踏み外さぬ者たちの 国は栄え、その国の民も花開くごとくさきわうものじゃ」(38頁)。不正義が権力持ってるな、安倍は原発輸出に再稼働まで言っている。ダメだ。「他人に悪事を働く者は、わが身に悪事を働くことになり、善からぬ謀(たくら)みは、謀んだ者にもっとも善からぬ結果となる」(43頁)。悪事というか、嘘はついてはならんな。「精を出してこそ、仕事はうまく運ぶ、だらだらと延ばす男は、いつも貧乏神と戦わねばならぬ」(60頁)。誠心誠意働く。笑って働く自営業の従業員はダメ。2013/08/14

kannkyo

14
紀元前8世紀の詩人ヘシオドスが、労働の意義と生活上の教訓を弟に切々と語る叙事詩。ヘシオドスは当時の実情を「昼も夜も労役と苦難に苛まれ」ているとしつつ、地道に働くことの意義を次のように述べている。「達する道は遠くかつ急な坂で、始めはことに凹凸がはなはだしいが、頂上に到れば、後は歩きやすくなる」至言である。2019/03/31

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