出版社内容情報
中国詩史の黄金時代盛唐において李白，杜甫と鼎立する王維は，諸才にあふれ，画をよくし，音楽の造詣も深い博学多芸の文化人として知られる．その作風は平静淡白，絵画的描写にすぐれ，常に田園の美をうたって自然詩の世界を創造完成した．文庫版のために選ばれた百十首を新訳と懇切な注釈により紹介する． （解説 入谷仙介）
内容説明
中国詩史の黄金時代盛唐において李白・杜甫と鼎立する王維は、諸才にあふれ、画をよくし、音楽の造詣も深い博学多芸の文化人として知られる。その作風は平静淡白、絵画的描写にすぐれ、常に田園の美をうたって自然詩の世界を創造完成した。文庫版のために選ばれた１１０首を新訳と懇切な注釈により紹介する。
目次
新唐書王維伝
王縉 王右丞集を進むる表
双黄鵠の歌 別れを送る
徐中書に贈る 終南山を望む歌
友人の山に帰るを送る歌二首（うち一首）
隴頭吟
燕支行
勅して百官に桜桃を賜う
勅して岐王に九成宮を借し避暑せしむ 応教〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
64
盛唐を代表する詩人の詩集。一種の天才だったらしく10代で科挙試験に合格したとか。詩自体にはそんな才気を感じさせるものは少なく、素朴で落ち着いた雰囲気のものが結構多い。画家としても活躍したようでその資質を生かし、鮮やかなイメージを簡潔な言葉で定着させた五言絶句には絶唱と言える作品が並んでいる。それまで誰も目を留めなかった田園の美を初めて表現したのが王維だったらしく、その影響は日本の俳句などにも及んでいる気がした。王維の詩→独坐幽篁裏/弾琴復長嘯/深林人不知/明月来相照/ （これはこの本には入っていません） 2013/09/21
スプーン
31
世捨て人の漢詩は、儚く、たそがれ、世を憂い、寂しげである。達観の境地に至る、抒情的な詩人。訳が秀逸。2019/04/25
イシザル
13
リチャード・パワーズの「オーバーストーリー」に王維が引用してあったから読んだ。自然や自然の中にいきる人間を描く詩がイイ。あるがままの自分を唄うのは中国ぽくなく日本人ぽく日本文学を連想する。2021/12/02
空太
5
授業発表の参考資料、その3。 図書館にあるはずなのにおいてないからamazonさんで買うはめになった(解せぬ…) 彼の自然詩はとても好みだったりする。 けど、ある程度王維を知っていないと難しいかも…2014/06/12
零水亭
3
メモ NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で王維の「送別」が出て来た。王維ファンとしては嬉しい限り。但し、1582年に死んだ明智十兵衛光秀が清の趙殿成1683-1743の編集した『箋注 王右丞集』を読むことは不可能だ。細かい話だが。2019/07/10
