岩波文庫<br> 江戸川乱歩作品集〈2〉陰獣・黒蜥蜴他

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岩波文庫
江戸川乱歩作品集〈2〉陰獣・黒蜥蜴他

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003118153
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

謎解きを追究した乱歩の真骨頂を示した。「陰獣」は、日本探偵小説史上の名作。女賊と明智探偵の対決と恋を描いた「黒蜥蜴」.デビュー作「一枚の切符」。本格的探偵小説「何者」.戦後の好短篇「断崖」の五作品を収録。

内容説明

犯行の謎に迫る探偵と意表を突く犯人。謎と推理をテーマとした代表作群。「陰獣」は緻密な構成とトリックにより日本探偵小説の新段階を告げた。「黒蜥蜴」は妖しく美しい女賊黒蜥蜴と明智小五郎探偵との対決と愛の葛藤を描く。幻のデビュー作「一枚の切符」、本格探偵小説「何者」、戦後の好短篇「断崖」を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

康功

41
乱歩の短編集に慣れている自分は、陰獣や黒蜥蜴の様な長編のストーリー展開に退屈な感じを拭えない。しかし、これも乱歩を有名な探偵小説家に押し上げた傑作達である。個人的に好きだったのは、最後の断崖。差し迫る夫婦、男女の心の探り合いがたまらなかった。黒蜥蜴の展開は、怪奇映画を見ている様に鮮やかなものであったが、明智が出てきて、謎が明かされた時点でスッキリした結末が予測され、少し冷めてしまった。怪しく、不可解に、解決されぬまま終わるほうが、乱歩の魅力を引き立て、より心に残る。そう感じた読者は私だけではないはずだ。2019/09/18

しんすけ

18
乱歩の作品中、構成面でぼくが好む作品が収録されている。 乱歩特有の懐かしさの創出と原色のロマンが加味された短編集である。 そして一部には毒婦的な要素もあって大きく関心が嵩じる。 「陰獣」は1970年前後にテレビドラマになったとき、カラー放送がようやく一般的になっていたためか、妙に赤色が目立ったような印象がある。 主役は鰐淵晴子だったと記憶している。彼女の美しさが毒々しい赤色に塗られて妖艶に輝いていた。 そこには生来的ではないが、生活を経て生まれた毒婦性を感じるのである。2020/10/24

michel

13
謎と推理がテーマの5短編集。「一枚の切符」「陰獣」「何者」「黒蜥蜴」「断崖」。今回は「陰獣」「黒蜥蜴」「断崖」の3作のみ読了。個性的なプロットで、楽しめた。2021/09/02

コチ吉

13
処女作にして実験精神に溢れる「一枚の切符」。その精神は代表作にも挙げられるべき「陰獣」で見事に開花する。さらに文字通り究極のフーダニットとも言うべき「何者」。外連味の横溢する「黒蜥蜴」。乱歩はやっぱり日本探偵小説の父であった。2019/07/26

浅香山三郎

9
「陰獣」「黒蜥蜴」といふ代表作のほか、「一枚の切符」「何者」「断崖」といふ推理の面白さや犯罪心理を巧みに描く作品を収める。グロテスクな描写は後景に退き、エンタテインメントの色合ひのつよいもので、乱歩のサービス精神に満ちたストーリー構築の巧みさが魅力の作品集になつてゐる。2023/07/18

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