出版社内容情報
平安から鎌倉にかけて多くの詞華集がつくられた.名だたる歌仙たちが『万葉集』や『古今集』以下の勅選集から珠玉歌を選りすぐって編んだ小歌集の数かずがそれである.うち後鳥羽院の『時代不同歌合』,俊成の『三十六人歌合』,定家の『百人一首』など八種の秀歌選を収め,周到懇切な注解を加えて和歌愛好家におとどけする.
内容説明
平安から鎌倉にかけて多くの詞華集がつくられた。名だたる歌仙たちが『万葉集』や『古今集』以下の勅撰集から珠玉歌を選りすぐって編んだ小歌集の数かずがそれである。うち後鳥羽院の『時代不同歌合』,俊成の『三十六人歌合』,定家の『百人一首』など8種の秀歌選を収め,周到懇切な注解を加えて和歌愛好家におとどけする。
目次
前十五番歌合
後十五番歌合
三十六人撰
俊成三十六人歌合
八代集秀逸
時代不同歌合
百人秀歌
百人一首
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
50
再読。時々はパラパラと読んでいるけれど、今回は通読する。ここ暫くは万葉集を読み続け、最近では歌意の掴み易い京極派の和歌を読み耽っていたので、この分かりにくく回りくどい感じが懐かしい(笑)←まさにこれが王朝和歌!この時代の雅(*^-^*) 幾通りにも解釈できるけれど、詞書により作歌背景がわかると込められた思いが鮮明に浮かび上がってくる。あぁ、王朝の和歌だ。この時代の和歌といえば何と言っても恋歌!王朝の‘雅’は恋歌にぴったり♪2019/01/31
SIGERU
25
人の想いは、千年を経ても渝らない。本書を読んで、つくづく思った。たとえば「人の親の心は闇にあらねども 子を思ふ道にまどひぬるかな」(藤原兼輔)は、子の親として、すなおに心に沁みてくる。日本人の感性のルーツは、時や人が移ろっても、なお繋がっているのだ。そんな古人の想いに心を馳せ、わが越し方を顧みる事こそが、古典を読む欣びだと思う。 『前十五番歌合』(藤原公任撰)から『百人一首』(藤原定家撰)まで、和歌の精華を蒐めた秀歌選。人口に膾炙した『百人一首』以外の歌書にも、佳吟が少なくないことを、あらためて知った。2022/01/17
しゅてふぁん
23
公任、俊成、定家、後鳥羽院が撰した八種類の秀歌撰を収録。撰ばれた歌は知らずとも、知った詠み人がずらりと並ぶ。古今集や後撰集など様々な歌集からのイイトコ取り、なんと贅沢な!同じ歌が何度も出てくるのも納得。詠われている心はどんな歌でもそうは変わらない。それでも‘秀歌’が心に響くのは、日本語としての美しさとリズムの良さなのかな。新たに気になった歌人は壬生忠岑、源順、源俊頼、宮内卿…他にもたくさんいて挙げていくとキリがない。巻末に作者別索引や出典一覧もあって嬉しい。いつでも読めるように持ち歩くことにしようかな。2018/02/10
LUNE MER
10
十五番歌合から百人一首に至る代表的な秀歌選を収録した一冊で、そのコンセプト故に仕方ないのだが重複して何度も登場する「ベスト盤には絶対に欠かせない」歌も少なからずあるため、様々な秀歌を堪能したいという目的よりは各時代の秀歌集の変遷や選出内容から読み取れる隠れた背景等を知りたいという目的にフィット。百人一首より少し前に後鳥羽院が隠岐島で編纂した時代不同歌合が面白い。八代集に選ばれた歌人から百人選び、各々三首ずつチョイスして50対50の歌合形式で編纂。さり気なく自分は二回登場させてる後鳥羽院(笑)2020/05/15
双海(ふたみ)
9
平安時代から鎌倉時代にかけて成立した秀歌撰のうち、『百人一首』に至る主要な8種を選んで年代順に配列した本です。とくに「三十六人歌合」には小町、高光、重之、信明など好きな歌人がたくさんいました。2014/01/01