出版社内容情報
人類の危機が叫ばれるいまだからこそ,ポジティヴなユートピアの姿を思い浮べてみよう.現代人が失って久しいファンタジーの想像力によって.『モモ』のエンデが,政治家,演劇人とともに新しい生き方を語りあう.
内容説明
文学・政治・演劇の各分野で活躍する三人が、人類の危機を救う新しい生き方を模索する。意識の変革をうながす想像力と創造力。縦横に語りあう「ポジティヴなユートピア」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
33
ファンタジー作家エンデが伊・ローマの自宅で政治家E・エプラー、演劇家H・ヒテルと語り合った対話記録。’80年代先進諸国が直面した閉塞感(消費社会の問題、物質的な豊かさはあるものの、精神的な・・は?)を打破するために『モモ』、『はてしない物語』、キルケゴール、シュタイナー等を引きつつ、社会批判、教育や哲学、心理学そして政治の問題と多岐に亘る。科学偏重主義、マルクス主義の限界を踏まえて、ポジティブなユートピアの可能性が模索される。エンデをより深く知ることができた。2014/04/04
より
1
★★★2018/04/21
みやか
0
11時14分読了。ここ最近、エンデ氏絡みのほんを読んでいると、不意に涙が出そうになったり胸がしめつけられるように苦しくなったりしていた。このほんを読んでいる途中にようやっと「ああ、わたしはエンデ氏に恋をしていたのだ」と気付いた。人間が物理的にも精神的にも流動している、という当然のことをわたしは常に忘却している。ものごとの価値がものごと自体と切り離されていることを無意識に是認していた。自分のからだが陽光を浴びれば地面に影が落ちるのは自明のことだし、不可分なことである。わたしは「価値」を信じていよう。2010/02/20
kino
0
もう30年以上前の本だが、たかだか30年では人間は対して進歩してやしないので、今でも普通に読めます。500年は余裕で読めそうだ。 あと10年くらいしたらもう一度読み返したい。おそらく書かれていることの1割も理解できてないから。2018/08/21