出版社内容情報
細密な絵で江戸中村座の一興行のすべてを再現しました。ゆっくりと歌舞伎全盛の舞台をご体験下さい。巻末に解説とたっぷりの絵注。
内容説明
作者見習いの少年を主人公に、江戸後期の顔見世興行のすべてを細密な絵で再現しました。誰も知らない芝居小屋の内部と、幻の舞台にご案内します。役者と裏方と観客が一体となってつくる、どよめく祭りの興奮を、江戸の人たちとともにご体験ください。観客にまぎれて同時代の有名人たちも来ています。巻末には、細密な絵にこめられた江戸歌舞伎の魅力と特質を、一つ一つ注にして、たっぷりと解説しました。江戸文化のたくましい姿が見えてきます。研究者と画家が8年をかけた渾身の絵本。
著者等紹介
服部幸雄[ハットリユキオ]
1932年愛知県に生まれる。現在千葉大学名誉教授
一ノ関圭[イチノセキケイ]
1950年秋田県に生まれる。現在、漫画家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もんらっしぇ
84
【再読】話題作『木挽町のあだ討ち』https://bookmeter.com/books/20499027 を読みつつ、参考文献として引っ張り出しましたが…「一粒で二度おいしい」じゃない、「一挙両得」「一石二鳥」ちょっと違う? お江戸の華、大歌舞伎の世界が眼前に現れ、作品のイメージを大いに膨らませることが出来ました(^^)/ 2023/07/14
♪みどりpiyopiyo♪
56
役者と裏方と観客が一体となって作る、どよめく祭の興奮。江戸時代,歌舞伎は人々の夢の世界でした。■おもしろかったー♪ 多くの文献や資料から「江戸歌舞伎」を復元した絵解き本です。華やかで細密な絵で、江戸後期、歌舞伎全盛期の中村座での顔見世興行の全てを再現しています。一ノ関圭さん渾身の描きこみ、すごい情報量! 芝居小屋の内部と、幻の舞台の裏表。立体的な構図が臨場感あふれてます■後半は 丁寧な解説と注釈が楽しめます。めくるめく江戸歌舞伎の世界を、江戸の人たちにまじってゆったりと楽しみました♪ (2001年)2017/02/15
姉勤
40
絵本と銘打ってますが、大人も楽しめる、否、大人が楽しめる本書。歌舞伎の舞台表から舞台裏。精緻に考証を重ねた大判見開きの水彩画。華美な衣装と意匠。同じ貌がひとつとない、客と役者の表情。酸欠になりそうな熱気が伝わってくる、升席。今にも落っこちそうな、二階の桟敷。工夫と贅を尽くした趣向と演出。非日常を味わうために傾ける、江戸人の非常なエネルギー。これだけ娯楽があふれた現代で、歌舞伎が生き残るわけを垣間見る。巻末に解説と絵の注釈と用語集。見るたびに新しい発見がある、ぜひ手元に。 2015/07/20
たまきら
32
現代の絵師、一ノ関圭女史の渾身の描きこみ、す、すごい情報量です!絵本を楽しんだ後、後半でゆっくり解説とともに描きこまれた内容を楽しめます。歌舞伎ファン必見。2017/01/31
もんらっしぇ
28
暫く表舞台に出てこなかった一ノ関圭さん、隠れてこんな素晴らしい仕事を!作者見習いの少年を主人公に、江戸後期の歌舞伎顔見世興行のすべてを細密な絵で再現。とにかく凄い凄い、天晴れ! 松井今朝子さんの歌舞伎関連の時代物と近藤史恵さんの猿若町捕物帳シリーズを読み進める上で作品のイメージを膨らませる一助にと思い購入。そしたら田牧大和さんの濱次お役者双六シリーズと同じ絵柄じゃないですか。作中の人物が本当にイキイキとしていて誰が誰だか誰を描いているのか一目見て判るやつ!そうです一ノ関圭さん。子供も大人も楽しめる好著♪2020/01/01