出版社内容情報
1993年に完結した第1期に引き続き,日本を代表する哲学者の90年代の全仕事を集成する.冷戦の終焉,科学技術の新しい展開など,今日の社会は地球規模の再編期を迎えている.世界や生命を定義しなおし,新しい社会を構想することが今日ほど求められている時はない.21世紀の知を探求するすべての人にとっての豊かな思想資源.
内容説明
本書は、著者が近代日本の諸思想と思想史的な諸問題を、「制度と思想」という観点から再検討しようと志してから、その観点を作業仮説として、またその観点そのものを再検討しながら、考察をすすめてきた諸論をまとめたものである。
目次
制度論的視角と日本型思想―序論にかえて
民法典論争の歴史的基盤―一一年草案まで
「家」の再編と家族国家思想の形成
民法典論争と美濃部・上杉憲法論争
中江兆民『民約訳解』にみられるルソー思想のうけとり方について―明治一四年前後における「フランス学派」の一断面
加藤弘之の制度観と自然観(家族国家思想形成との関係において;家族国家思想と社会進化論;キリスト教批判・君主機関説批判)
「農本主義」思想のとらえ方について―日本の近代化への対抗思想として
新稿 “主語的論理”と“述語的論理”の射程―丸山政治学と“西田哲学”