出版社内容情報
パレスチナ問題からアラブ対イスラエル紛争へ,さらに中東イスラーム世界対アメリカ=イスラエルの「文明の衝突」へ.様々な分断線が,中東に深い亀裂を刻み,増悪と対立が激化している.そこに働く政治的文化的力学を読み解く.
内容説明
エルサレム問題に端を発するユダヤ人とパレスチナ人のコミュニティをめぐる歴史的対立は、イスラエル建国後、パレスチナ問題からアラブ/イスラエル紛争へと発展し、9.11事件後は、中東イスラーム世界とイスラエル化したアメリカとの対立の構図が鮮明になりつつある。植民地主義、宗教、民族をめぐる分断線が深い亀裂を刻み、憎悪と対立の連鎖は中東世界に拡大している。聖書時代から続くパレスチナ/イスラエル紛争が、いまなぜ世界化しているのか?そこに働く政治的文化的力学をめぐって、中東の地政学を読み解く。
目次
序章 エルサレムを見た日本人作家
第1章 パレスチナ/イスラエル紛争の現場(アル・アクサー・インティファーダ―パレスチナ/イスラエル紛争にとっての九・一一事件;シオニズムにとってのパレスチナ―パレスチナ/イスラエル紛争の誕生;離散の瞬間―パレスチナ人の難民化)
第2章 パレスチナ/イスラエルの相克(パレスチナ解放運動の軌跡―イスラエル建国からオスロ合意まで;ユダヤ民族とイスラエル国民の相克―ショアーの記憶をめぐって;民族と宗教をめぐる自画像のゆらぎ―「アラブ人」と「ユダヤ人」)
第3章 アメリカとパレスチナ/イスラエル(アメリカとイスラエルの「特別な関係」―キリスト教原理主義の立場から;ジハードとパレスチナ解放―イスラーム運動の立場から;パレスチナ暫定自治から独立への道―閉塞状況のパレスチナ/イスラエル和平)
終章 世界化するパレスチナ/イスラエル紛争
著者等紹介
臼杵陽[ウスキアキラ]
1956年、大分県生まれ。東京外国語大学アラビア語学科卒業、東京大学大学院国際関係論博士課程単位取得、在ヨルダン日本大使館専門調査員、佐賀大学講師・助教授、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所およびベン・ツヴィ研究所客員研究員を経て、現在、国立民族学博物館・地域研究企画交流センター教授
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