出版社内容情報
激動する現代世界のなか,文学はどこへ向かうのか.「文学」の概念を根源的に問い直し,世界と人間と言葉の新たな関わりを考察する.表現の現場から未知の時代を生きる思想や感性を探り,言葉の力の回復を問う.
目次
日本資本主義と文学―言語・貨幣・著作権をめぐって(関井光男)
あえて文学の革命を唱える(島田雅彦)
物語のゆくえ(佐藤亜紀)
命令と物語―断片化する世界の考察(港千尋)
戦争と文学の言説を検証する(川村湊)
「弱者」と文学(清水義範)
なりすまし文学の現在形―パッシング小説とサイバーパンク(小谷真理)
文学の合理的な死滅―現代の生と死 生命科学と文学(大岡玲)
現代世界と文学の行方(筒井康隆)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
1
筒井康隆が編集した評論シリーズの一つ。筒井の『現代社会と文学の行方』は良い評論。個人的には、佐藤亜紀『物語のゆくえ』が強烈でこれを立ち読みして購入を決めた。まあ、線引ばかりで100円だったせいもあるが。 某評論家漫画原作者編集者に対する毒舌の猛烈さに驚いた。オタク文化の強烈な批判でもあって、個人的にもっともと感じる箇所が多かった。「質」を求める読者とそれに対応する作品を生み出すことで具体的な手法は、佐藤のほかの本と同じ趣旨だった。しかし前半は挑発的でスリリングだった。2012/08/16
sk
0
それほど良質ではないが、現在の文学の問題がわかって良い。2013/12/07
numainu
0
評価C2009/05/24