出版社内容情報
原理・パラメータモデルが誕生しつつある興奮のなか1980年の前後にかけて行われたインタヴューと,極小主義の本格化を経て2002年秋に行われたインタヴューを収録.知の巨人が自らの科学観と言語観を語りつくす.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
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チョムスキーの試みそのものは評価する。だけど言語が意味を伝えるためのツールであり、砕けた言い方、変な言い方でも通用する。だから統語論ではなく、言語にとって重点テーマは意味論なのではないか。2015/06/27
くにお
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生成文法の理論的枠組みが、規則の体系から、原理とパラメーターのアプローチに変わろうとしていた1980年代初頭に行われたチョムスキーのインタビュー。チョムスキー自身、言語学史上、真に革命的と言える学問的転換が行われた時期であると後に語っている。 後半は、2002年秋に行われたインタビュー「21世紀の言語学」が収録されており、これまでの生成文法の歴史を振り返り、この学問の今後について語っている。 訳者の福井直樹氏はMITで学位を取得し、現在上智大学で教授をしている生成文法学者である。その研究分野は従来の言2009/09/20
親橋白金(実は加藤國康)
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文系言語学のいかさまがよくわかる。言語学を科学にしたチョムスキーの「企て」の言説に耳を傾けるべきだ。もし健全なヒトでいるためには。2008/08/22
さしとおう
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自然科学では当然のこととして受け入れられていることが、言語学においては広範な理解を得てないんです。つまり、理論というものは、健全であるためには変化していくものだということが理解されていないんですね。124pより2008/12/30
ちょっかん
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チョムスキーの生成文法理論についての知識が曖昧であったので読んでみた。インタヴュー形式で書かれていたので、読みやすいかなと思っていた。しかし、なんの説明もなく専門用語が容赦なく現れて、途中で「あっ...これは入門者向けではないんだな...」と気付いた。一言も入門者向けと書かれてないし、そもそもそれぐらいの専門用語を知らない私に落ち度はあるが、なんとなく概要は掴めた。やはり文体として読みやすいので、チョムスキーの人となりを垣間見ることができ、他分野に対するチョムスキーの考えもわかる良書である。2018/07/26