出版社内容情報
プロテスタンティズムとフランスの近代-カルヴァンから大革命まで,宗教的少数派の凄惨な運命に,啓蒙思潮の形成と,大革命に果たした「信仰」の逆説的役割を読む.宗教と近代をめぐる思想史の暗部を問う宗教の政治史.
目次
序章 フランス・プロテスタント史が提起する諸問題
第1章 「ナント勅令」前後のプロテスタント
第2章 プロテスタント封じ込め政策の展開
第3章 プロテスタント抑圧のための立法措置
第4章 プロテスタント絶滅のための弾圧政策
第5章 「フォンテーヌブロー勅令」とその直接的帰結
第6章 18世紀におけるプロテスタントの再起
第7章 いわゆる「寛容令」の公布をめぐって
第8章 国民議会におけるプロテスタンティズム
終章 近代における信仰の運命
感想・レビュー
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中村禎史
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16世紀からフランス革命の頃までのフランス・プロテスタント(カルヴァン派)の歴史。 ナントの勅令はプロテスタントの信仰の自由の保証ではなく、信仰の安全地帯を定めたに過ぎず。 ルイ14世は幼少期のフロンドの乱の記憶もあって、反プロテスタントの意向が強かった。王の直接の指示では無い模様だがプロテスタントの家に軍隊を泊まらせて暴力的に改宗を迫ったと言う。しかしナント勅令廃止後もプロテスタント信仰は公然の秘密的に黙認されていた。フランス革命直前にプロテスタントの戸籍登録が認められ、財産相続も可能となった。2019/12/05