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現代韓国短篇選〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000227230
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

あのように揺るぎなくみえた家族の結びつきにも,新たな時代の風が寄せてくる.その中であえぐ,あるいは現在に屈託する,また夢….未来へと駆けてゆく隣国の人たちの多彩な生活模様が浮かび上がる.シン・ギョンスク,キム・ジョンワァン,ユン・フミョンら現代韓国の名手たちの90年代の清新な作品7編を収録する.

内容説明

80年代の諸編を収録。ここには、現代へと駆けてきた人々の心に折り畳まれた苛烈な歴史の諸相が大写しされる。老いた母の懐に秘められた内戦のなかで惨殺された息子の記憶がある日暴発する「母さんの杭」、自国を離脱してアメリカで糸の切れた凧のようにフウテンするマリファナ漬けのミュージシャンの日々を描いてどこか未来への希望を感じさせる「深く青い夜」など、日常の鬱屈を刻み込む時代そのものの大きな転換、描かれた都市風俗のダイナミックな変貌を伝える。この一冊から現代韓国の誕生の胎動が聞こえてくる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HIROMI S.

2
映画監督イ・チャンドンの小説が読みたくて購入。映画と同じように、散りばめられた細部から、描かれなかった真実が現れてくるような小説で、読み終わった後もう一度読み直して、「あぁ、そうか!」と思った。他の短編も興味深かった。そして自分が韓国の歴史を全然知らないのを思い知らされた。戦争、クーデター、学生運動、光州事変と激動の歴史に翻弄されたんだな。また思想統制が厳しくて戦時中の日本みたいだったのにも驚いた、今はそんなこと無いんだろうけど。2015/10/28

あみちゃんこ♀

1
パク・ワンソの「母さんの杭」だけを読んだ。序盤は「珍しく穏やかな感じ?」と思ったら、やはり例のお母さんが出てきた途端、大変なことに。。時代のせいなのは大前提だが、パク・ワンソはお兄さんとお母さんに随分と人生を振り回されているなぁと。。(この表現が適切か分からないけど)相変わらず壮絶。親・家族というのは、良い影響ばかり与えてくれるわけじゃないなと、、考えさせられる。パク・ワンソさん、お母さんが亡くなった後に、幸せに穏やかに生きれてたなら良かったけどと祈るばかり。2022/11/24

kyhitsuji

1
上巻と違い全体的に暗かった。「深く青い夜」以外は朝鮮動乱の色が濃い作品ばかりでした。2015/03/15

aif

1
上巻を読んでいる時から、翻訳が日本語としてところどころ不自然だな?と思っていたけど、あとがきでそれも試みの一つだったと判明。上巻(90年代)と下巻(80年代)の雰囲気の違いが歴然としていて興味深い。韓国の現代史についてはやはり距離がとりづらく、表現に慎重にならざるをえないことも多いが、それでも「すさまじい」と言わざるを得ない。多方面から知識を得て、一面的でない見方を形成していくのは大事だなと思う。歴史を学ぶことや人と知り合うことに加えて、小説を読むのもそのためにいいかも。2012/12/25

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