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オムニフォン―“世界の響き”の詩学

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000223829
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

オムニフォンとは、あらゆる言語が同時に響きわたる時空間を受感し、想像し、そして生きること。経験、歴史、表現、翻訳、クレオル―、世界=言語がはらむあらゆる関係をオムニフォンとして読み換え、21世紀の世界像を問う、躍動する批評の誕生。

目次

1 カリブ海の岸辺に世界が波打つ―歴史と反響の詩学(オムニフォン―カリブ海から世界を想像する;「亀裂」という川が流れる島で―マルチニック、「歴史」と「小説」;マングローヴ、彼女の自伝的綱渡り―『マングローヴ渡り』と『笑い泣きの心』 ほか)
2 “言語”という島は孤立を知らない―多言語性と流浪の詩学(Nowhere Everywhere;Monte video ergo sum(山が見える、故に、我あり)
フェルナンド・ペソアと連れだって―誰でもない人々 ほか)
3 われわれは物質の流動的なむすびめにすぎない―言葉と惑星(花、野、世Flower、Wilderness,World―アイズリー、スナイダー、ヤキ族にとっての花;「蝶層」に舞う「雑神」を追う小舟、―吉増剛造『The Other Voice』の余白に;ナチュラル・マテリアリズム―H.D.ソローから星野道夫. ほか)

著者等紹介

管啓次郎[スガケイジロウ]
1958年生まれ。翻訳者、エッセイスト。ハワイ大学、ニューメキシコ大学、ワシントン大学(シアトル)などで人類学、比較文学を学ぶ。2005年4月よりオークランド大学(ニュージーランド)客員教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スミス市松

16
グリッサンの主たる思想である「〈関係〉の詩学」を背景に、ベケット、ペソア、多和田葉子らオムニフォン(「あらゆる言葉が同時に響きわたる言語空間で生きる決意」)の作家を紹介しつつ著者自身も翻訳者(文筆家)としていかに〈世界の響き〉をあらわすか、その表明の書。翻訳やエッセーを通じて様々な「私」を自らに呼びこむことで生じる「人を隔てる人称のフィクションが挫折し、ある根源的な共有の場所をひらいてくれるような平面」、つまり紙の上に書かれた共有場としての「私」は、常に他者に向けて中継される〈世界の響き〉の一形式となる。2019/08/18

gu

6
時間や場所の異なる人や物を結びつける行為は、例えば植民地化という暴力であるし、シュルレアリスムの通俗化という形で表れる現代の都市文化であるし、海の向こうで書かれた文章を(翻訳で)読むことでもある。悲惨があり一方で救いの可能性でもある。作者が自らを規定する「翻訳者」の目をもっと広く当てはめてみたくなる。書かれた「私」が(いかに個人的であろうと)読者を受け入れる場所になるという一節に感銘を受けた。外国語の翻訳に限らず書くことと読むことには憑依や通過という言葉で表したくなる何かがある。2016/04/19

tamioar

0
異言語に対するワクワクに満ちている。2020/04/21

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