出版社内容情報
犯罪が増加し凶悪化しているという認識はどこまで正しいのか.現実を必ずしも正しく反映していないこの言説の意味を検証し,実態分析を基に今後の社会変化と法状況の将来を展望.法とは何か,社会関係のあり方を問う刺激的考察.
内容説明
「日本は犯罪の少ない安全な社会である」という安全神話が揺らぎつつある。しかしはたして、犯罪が増加し、凶悪化が進んでいるという認識は正しいのか。著者は、統計資料の徹底的な読み込みを通してわが国の犯罪状況を分析し、近年の通説が現実を正しく反映していないことを考証。なぜそのような言説が一般的にまかり通ることになったのか、その背景と言説自体がもつ意味を明らかにしたうえで、欧米社会との比較考察をも加えつつ、今後の社会変化と法状況の将来を展望する。法とは何かを問うことを通して、わが国における司法制度や社会関係のあるべき姿について考察した、気鋭の法社会学者による刺激的な問題提起である。
目次
第1部 犯罪とそれをめぐる状況(日本の犯罪状況;欧米の犯罪状況との比較)
第2部 統制の理念と実践(秩序観;犯罪観;安全神話の構造;個別主義と人権)
第3部 将来像と処方箋(人間関係の変容と防犯;境界・共同体と個人)
著者等紹介
河合幹雄[カワイミキオ]
1960年生まれ。京都大学理学部生物系卒業。同大学文学部で社会学を学んだ後、同大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、桐蔭横浜大学法学部教授。専門は法社会学。社会の実態把握を実証的に進める一方で、比較法学的視点を取り入れつつ、法とは何か、法と社会はいかにあるべきかについての理論的考察を進める
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