内容説明
量子力学に由来するスピン間の相互作用は、電磁気学による相互作用にくらべ桁違いに大きく、高温超伝導、巨大磁気抵抗などさまざまな現象で重要な役割を果たす。また、スピン系における波動関数の重ね合わせは量子情報処理への応用でも注目される。非常に簡単な形の相互作用のもとで量子力学的特徴を明解な形で現わす量子スピン系は、量子力学の不思議をみるのに最適である。本書では、この系の扱い方を最新の話題を交えて解説する。
目次
1 スピンとは何か(スピンの発見;スピンの起源 ほか)
2 量子スピンのそろい方(スピンの量子ゆらぎ;固有状態 ほか)
3 量子相転移(横磁場イジングモデル;1次元横磁場イジングモデル ほか)
4 量子スピンの運動(時間に依存する現象の記述;磁場中のスピンの運動 ほか)
A スピンをみる―付録
著者等紹介
宮下精二[ミヤシタセイジ]
1954年生まれ。1981年東京大学大学院理学系研究科博士課程物理学専攻修了。理学博士。東京大学大学院理学系研究科教授。専門は、統計力学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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