出版社内容情報
原始古代から現代まで,日本列島とその周辺地域を舞台として繰り広げられた歴史の全過程を,一貫した方針のもとに叙述する.これまでの日本史像や日本文化観に大きな転換を迫る注目すべき業績をもれなく集約し,世界史的大転換期にふさわしい,鋭敏な現実感覚に根ざした新しい日本史の全体像を提示する.ご要望に応え再刊.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
africo
1
8世紀の通史1本にテーマ論文9本。色々集まっているので執筆者の個性が見えやすいのだが、特に「天平文化論」(青木和夫)と「正倉院文書」(杉本一樹)のクセが強い。青木和夫は名著と名高い中公版日本の歴史『奈良の都』(未読)の作者であるが、いやいや、なかなか筆の滑りがよろしくていらっしゃっておもしろい。あとは、「宮都・国府・郡家」(佐藤信)、「古代国家と蝦夷・隼人」(熊田亮介)、「漆紙文書と地方行政」(平川南)など、教科書では全くイメージできていなかった地方統治機構関係が興味深い。2021/02/08